劇ナビFUKUOKA(福岡)

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応援宣言!

はじめまして。ここでは福岡周辺の舞台芸術のあれこれを書いていこうと思います。観たお芝居の感想などもかる―く紹介することになりそうです。「つきいち」ってタイトルについてるけど、(水上社長と話しているうちに)更新は月に一度より増えそうで…「ツキが1番ある」ってことで(?)、本日から、よろしく。 


【コロナで変わったこと】

 

  コロナウィルスに振り回されたこの3年も、ようやく落ち着こうとしている。この間の日本の舞台芸術活動についての総括はきっとこれからされると思うんだけど(コロナ初期の地方演劇人たちの活動については、私も2020年に毎日新聞に書いた)、福岡市の状況を言えば確実に芝居の数が減ってしまった。特に小劇団の活動が著しく減っている。1990年代(今は亡き)イムズで「イムズ芝居」が盛り上がっていた頃は福岡市には100を超える小劇団があったらしいけど(真偽のほどはわからない)、ブームが去り、不景気になり、コロナの打撃が来て、この状況。私自身の観劇数もコロナ前から大きく減っているけれど(コロナ前:月10~12本→現在:6~10本)、明らかに地元劇団を観劇する機会が減ってしまった。何より新たに旗揚げする劇団が、ひところに比べてかなり減っている。

 

 この状況は、ちょっと、まずい。「プロの劇団が来てくれたら十分じゃない?」「素人の舞台なんて見る人も限られているから大勢に影響はないでしょ」なんて意見もあるかもしれないけれど、それは違うと思うんだなぁ。劇団を旗揚げするのは圧倒的に若い世代。その世代が演劇に関心を持ってないってことだからね。いや、2.5次元ミュージカルなんかは若者でいっぱいよ? でもその観客がいろんなジャンルの他の舞台を見に行くかと言ったら、残念ながらそうではないことが多い。そして、地方で作られる舞台作品がないということは、いつまでたっても「中央は生産(作り手)/地方は消費(観客)」という役割分担のままなのだ。…関心も持ってもらえず、中央の価値を受け入れるだけ…の文化は、尻すぼみになっていくだけだ。


 もちろん、コロナ禍でも公演を続けてきた劇団もあるし、配信という工夫で乗り切った劇団もあるし、そしてなんとなく落ち着き始めたころ合いを見計らって旗揚げした劇団もある。観客として満足する公演ばかりではないけれど、観ることで応援し、面白かったらここで紹介して応援していきたいなと思っている。

 

 コロナで失われかけているものを取り戻すには、同じだけの年数が必要なのかもしれない。応援は気長に、温かく。「つきいち劇談」一回目は、「福岡の舞台芸術を応援するぞー!」という宣言で締めることにしよう。

2023.04.19

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プロフィール
柴山麻妃

●月に一度、舞台芸術に関係するアレコレを書いていきまーす●

大学院時代から(ブラジル滞在の1年の休刊をはさみ)10年間、演劇批評雑誌New Theatre Reviewを刊行。
2005年~朝日新聞に劇評を執筆
2019年~毎日新聞に「舞台芸術と社会の関わり」についての論考を執筆

舞台、映画、読書をこよなく愛しております。
演劇の楽しさを広げたいと、観劇後にお茶しながら感想を話す「シアターカフェ」も不定期で開催中。
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