劇ナビFUKUOKA(福岡)

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劇ナビインタビューNo5 ホルトホール大分 館長 是永幹夫さん その2

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仕事の「原点」わらび座時代

水上 ここでちょっと話がそれます。毎回その人となりを伺っています。こういう仕事に携わったきっかけは? 是永さんがわらび座に入られたのは何年ですか?

 

是永 1975年。29歳の時に入りました。わらび座に37年、大分に帰ってきて3年だから、40年前ですね。まず劇団の編集部からスタートしました。劇団の機関紙を、狭い機関誌ではなく、開かれた「文化の広場」的な月刊誌に変えることから始めました。最初は劇団内で少し抵抗もありましたが、私はいつも「時間が解決する」という哲学を持っていて平気でした。これだけいいことをやってんのに、なぜ狭いのかという疑問を、世間とのチャンネルを一歩一歩つくりながら、解決していきたいという情念が強かったですね。舞台にもっと笑いがあってもいいのにと思い、「笑いは力」という特集を組んでみたり、他の創造団体のいい取り組みをどんどん紹介したり・・・。わらび座のように民族伝統をベースにした歌舞団が、異文化圏と出会うとどんな発酵をするのだろうかとの興味から、国際部を勝手につくって海外公演を始めたり・・・。いまも続けている「資金調達」も海外公演時代に覚えたことです。その後、制作部長、全国公演部長、劇団代表を歴任。仲間とともに、「仕掛けてなんぼ」の劇団営業のシステムをつくり、特に北東北3県では、その県の総人口の5%の県民(数万人)の皆様が、一作品を一時期に一気に鑑賞するという公演形態を実現しました。岩手県とはミュージカル「アテルイ」や「銀河鉄道の夜」、青森県とはミュージカル「棟方志功」、秋田県とはミュージカル「よろけ養安」です。

 

水上 それはどんな作品なんですか?

 

是永 この作品は、鳥海山麓の院内銀山のかかりつけ医者で旅籠や経営者の酒好きの門屋養安の話。秋田県立博物館に所蔵されていた彼の日記を一頁一頁ずつマイクロフィルムに撮り、天保年間から戊辰戦争のあとまで33年間の古い日記をわらび座の民族芸術研究所が7年かけて解読して出版しました。出版から7年後、ミュージカル舞台にしました。日記発見から舞台化まで14年かかった。これが秋田県内で大ヒットした。

 

水上 すごいミッションですね。

 

是永 「地域発信・地域連携」型の舞台創造と運用を柱にかかげて各県の知事にお会いしてミッションを伝えるところから始めたんですが、北東北3県とも県庁あげて取り組んでくださいました。岩手県の場合は「いわて地元学」推進を県政の柱に据えていたときで、まさに「ミッション合意」の全県的な取り組みでした。岩手県内のミュージカル「アテルイ」公演準備で1年間で車で3万8千キロほど走りました。当時あった岩手県の12振興局と12教育事務所を全部訪ねて。

 

水上 行政との関係で公演を作ることの一つのパターンを産み出したわけですね?

 

是永 劇団代表として、劇団に入ってきた新人営業の最初の講義をいつもしていましたが、あの大トヨタが逆立ちしてもかなわないのは行政のラインだと具体的事例で話していました。行政のラインを活かせば「山が動く」瞬間はつくれるんですよ。

 

大分の可能性

水上 地域発信の作品の話になりましたが、それを大分ではどのように実践していきますか?

 

是永 私の代で実現しなくても、次の世代が、私が北東北で仕掛けたような「地域発信・地域連携」型の舞台創造と運用を、この大分県で挑戦してほしいと思います。そのための一歩一歩の取り組みを帰郷後におこなっています。大分の人間が大分の題材で、大分の人たちに届ける舞台をと期待しています。

幸い、海を隔てて、豊予海峡の対岸には「坊っちゃん劇場」が大奮闘しています。愛媛の企業とわらび座の共同経営の民間劇場ですが、いまや、全国的にも大きな話題となっていて、文化庁も支援しています。地元の行政・経済界・教育界が束になって応援している「奇蹟の劇場」です。大分県、愛媛県、広島県、高知県、山口県が参加して豊予海峡交流圏事業を実施していて、今年度の1月と2月に大分の音楽・演劇・伝統芸能関係者と「坊っちゃん劇場」との交流事業に支援していただくことになりました。大分県での郷土発信オリジナル・ミュージカル創造のための布石の事業です。

ふるさとに帰郷して仲間たちと動き、「大分市文化芸術振興計画2020」が策定されました。そのビジョンを受けて、大分市立の3館連携の「豊後FUNAI芸術祭」を新年度から始めます。この事業の趣旨は、(1)大分市の舞台芸術振興、(2)市民協働・市民参加、(3)文化施設とまちをつなぐ、です。時間はかかりますが、大分の魅力的な文化的コンテンツと歴史的ご縁のDNAを現代にかたちにしていきたいと考えています。

 

水上 3館というのはここホルトホールと?

 

是永 コンパルホールと能楽堂です。

 

水上 時間がかかるかも知れないと言われたのは音楽にしろ舞踊にしろ、文的資源・財産があっても、それを舞台化するのに時間がかかるけれども、そういったことも考えてやるってことですか?

 

是永 そうですね。大分市は、大航海時代にフランシスコ・ザビエルとイエズス会に出逢い、西洋演劇、西洋音楽、西洋医術、ボランティア発祥の地と言われています。「進取の気風」に富んだ土地柄です。大分から山口や長崎にキリシタン文化は広まった。2015321日、新しいJR大分駅前広場オープンの午後は、ホルトホール大分・大ホールで「ザビエル・サミット」が開催されます。ザビエルがお世話になった鹿児島市、堺市、山口市、平戸市、4つの都市の市長を大分市長がお招きして首長サミットを開催します。大友宗麟と高山右近の二人が数多くいたキリシタン大名の中でも最後まで「心の王国」をちゃんと持っていた。すごいのは宗麟が住んでいた大友館の隣に日本で最初のハンセン病患者の療養所を作った。ボランティアを領民から募っていた。そういう歴史的な縁、土地柄を大事にしたいですね。

ふるさと大分の文化的資源、魅力的なコンテンツ、人材と出逢い、一歩一歩かたちにしていきたいと考えています。そのためにふるさとに帰ってきたとの思いは強いです。

 

水上 わらび座は創造集団ですけど、ホルトホール大分は孵化装置ということで、大分に潜在的にあるものを集めている段階ということですか。

 

是永 ホルトホール大分自体が孵化装置になれるかどうかはこれからです。まだ開館して1年半。市民とともにつくる施設をまっとうすれば、ホルトホールでの出会いと交流からさまざまなお酒が発酵し、ここからさまざまな創造的なかたちが生まれると思います。

高校時代から民俗学者の宮本常一さんが大好きでした。私の人生は、「足元を掘れ、そこに泉が湧く」をミッションにしてきました。このミッションを徹底的に伝えたいと思います。

 

水上 わらび座時代にたざわこ芸術村の創設に関わられました。一団体が地域で実践して全国的な展開をしていったわけです。40年たって帰って来られて、色んな芽があってそれがどう化学反応を起こすのかを今頭の中でいろいろと考えられてる。大分のクリエイティブシティ構想なんかと含めると、文化産業を興していくということですか?

 

是永 わらび座に営業で入社する新人たちの動機として、文化産業として面白い会社、それに地域密着で面白い、その二つで選びましたという理由ですね。非常に明確な目的を持っています。「地の利」「天の利」「時の利」をさらに活かしてわらび座はこれからも展開していくと思います。ふるさと大分では、幸い「ホルトホール大分」という全国的にもまれな複合文化交流施設に関わっているので、その立ち位置をフルに活かして、大分のまちづくりにコミットメントしていきたいと思います。舞台芸術の世界で長く生きてきたので、やはり、文化芸術・アートで食べていける人たちを一人でも多くつくりたい、そのための「つなぎ手」となりたいと思います。

 

水上 クリエイティブシティ構想はいかがですか?

 

是永 「創造都市ネットワーク日本」に大分県と県都・大分市が今年度前半のうちに加盟しました。県と県都が揃って入ってるのは、兵庫県、神戸市に次いで大分県と大分市だけです。大分県は「国東半島芸術祭」の開催や、「県立新美術館」の開館など、「創造県」として発信しています。2020年東京オリンピックで「東京一極集中」がさらに強まることを懸念していますが、逆に2020年までに、2015年夏・秋の21年ぶりのディスティネーション・キャンペーンの活用、この前開催された「国民文化祭あきた・2014」の基本構想や企画に関わらせていただいた経験を活かし、一年前から大分県にも働きかけていますが、2018年に二度目の国民文化祭の大分県開催など、いくつかの「山場」を仕掛けていく動きのなかにいますので、「黒子」に徹して実現していきたいと思います。

もともと創造都市については1980年代後半にイタリアはじめヨーロッパの都市を訪ねるなかで感じていたことですが、秋田のわらび座時代に、大都市・政令指定都市先行型で推進されてきた日本の創造都市論にプラス「田園都市型」創造都市の必要性を、文化庁や理論的牽引者の佐々木雅幸先生に提言してきました。「田園都市型創造都市」の言い方はいまは「創造農村」と称されていますが、クリエイティビティのあるまちづくりは市民権を得つつあります。大分市の職員提案でスタートした「トイレとアート」の「おおいたトイレンナーレ」も、2015年夏が本祭だし、ぜひこの機会に大変貌中の大分市を訪ねて楽しんでいただきたいと思います。

 

水上 それにしても文化芸術はもちろん他のジャンルへの関わりもすごいですね。

 

是永 「多様な主体との協働」をどうつくるかが、これからの市民社会の試金石と言われています。文化はどこにでも関われるんですね。ふるさと大分には全国ブランドになっているだけでなく、唯一という優れものもたくさんあります。より良き社会を創りだそうとしている人たちを黒子になって応援したいですね。公立文化施設の施設予約管理システムやチケット予約管理システムで全国随一のレベルを販売している()オーガス(大分市)はじめ、ある分野で日本のリーディング・カンパニーになっている企業もたくさんあります。個人の仕事でも、「服は着る薬」の鶴丸礼子さんは、障碍者や高齢者の衣服製作のための独自の「鶴丸式製図法」を考案し、全国各地の人たちのための服作りに命をかけています。マグマのような志の高さと実現する技術のすごさと全身全霊の仕事ぶりには誰しも共感し、逆に大いなる励ましをもらっています。私もその一人ですが、各分野に、大分には魅力的な「推進エンジン」の人たちがいます。その人たちと出逢い、「つなぐ」役回りを「天命」にしたいと思います。

 

水上 是永さんの人脈ネットワークの根幹には、「共鳴」があるんですね。もっとお聞きしたいことが山ほどありますが、時間が来てしまいました。一応今日はここまでにさせてもらって、次回につなげたいと思います。ありがとうございました。

 

◆インタビューを終えて

是永さんは、多機能連携施設というフレーズを何度も繰り返されました。福祉・健康、産業、教育・子育て、文化、観光、情報、交流、などの多機能な施設を融合した「孵化装置」ということでした。新しくなる大分駅前のアクセスも活かしながら「市民の家」としてどのような魅力を発信していくのか、そして新たな「大分ブランド」の芸術作品を九州のみならず中国四国さらに全国へ発信していく施設になることを期待しています。

 

取材 水上徹也(シアターネットプロジェクト 代表取締役)

2015.01.12

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劇ナビインタビューNo5 ホルトホール大分 館長 是永幹夫さん その1

大分市は、2014年に「創造都市ネットワーク日本」に大分県とともに加盟した。企業・工場の誘致により発展を遂げてきた「新産都」都市、県都としての行政都市の性格のみならず、文化創造都市への取り組みを打ち出している。

2013720日に開館した「ホルトホール大分」もその拠点施設としての機能と街づくりの中核施設としての役割をもって、2015年春のオープンに向けて建設中のJR大分駅ビルに隣接して建設された。そのホルトホール大分の館長(統括責任者)として、是永氏が運営に携わる。是永氏は、秋田県に拠点を置く「わらび座」で長らく活躍してきた。わらび座は民族歌舞団として発足し、現在は劇団としてミュージカル制作に力を入れているが、自前の劇場を持ち創作活動を行うだけでなく、常設劇場、温泉施設やホテル・レストラン、工芸館、地ビール工房などを併設した「たざわこ芸術村」を運営している。その実績を買われて、氏の出身地である大分市で、新たに誕生した複合文化交流施設の運営を任された。劇ナビでは、地域からの文化の発信を行う施設として、九州の東の中核都市大分での活動を取材した。

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水上 是永さんは、秋田県で劇団わらび座の代表として長くかかわっていらっしゃいました。大分市は生まれ故郷だということですが、大分に新しく誕生した公立文化施設の責任者として着任され一周年を迎えられたところです。まず、大分の状況からお話を伺いたいと思います。

 

全国随一の多機能連携型施設

是永 大分市内は、いまハード面、ソフト面で一気に変貌中です。いままで大きなプロジェクトがなかったということもありますが、全国の都市のなかでも随一の大改革が進行中です。いま変わらなければ今後50年間このような好機はない、という危機感が業種や世代を超えてあります。

 

水上 JR大分駅ビルもかなりの規模になるようですね。

 

是永 JR博多駅ビルよりこじんまりとしていますが、屋上庭園が博多駅の1.8倍で、より市民に親しまれるつくりになっています。私の自論は、大分市の場合「JR駅ビル中心の回遊性のまちづくり」が生命線だということです。大分市は現在、福岡地所が仕掛け、大成功しているショッピングモール「パークプレイス」と大分の老舗のトキハデパートの郊外展開のショッピングモール「わさだタウン」はじめ、明野地区や挟間地区のショッピングモールの郊外展開型商業ゾーンになっています。このことは全国の中核都市にどこでも見られることですが、郊外ではない中心市街地に駅ビルを中心にしたもうひとつの商業ゾーンのコアをつくろうとしている。「商都復活」という理念ですね。

 

水上 そのなかでのホルトホール大分の立ち位置は?

 

是永 ホルトホールは複合文化交流施設ですけれども、その多機能性では全国随一の公共施設です。文化・教育・福祉・健康・産業・情報・交流の7分野が37,000平米の施設内で連携している。「21世紀は多機能連携の時代」と私は公言していますが、とくに「3.11」のあと、その考え方はますます大事になってきています。開館以来、全国各地からの視察が続いています。北は秋田県庁、秋田市議会、南は那覇市役所と全国津々浦々の自治体の視察、国省庁の視察が多いです。

ホルトホール大分のなかの多機能連携推進と同時に、新生・大分市の回遊性のあるまちづくりの促進装置・孵化装置だと考えています。そのための連携・連動の動きを進めることに心砕いています。

 

水上 ホルトホール大分の仕事へのかかわりきっかけは?

 

是永 いまから9年前に九電工本社のお誘いがありました。私が定年後にふるさと大分市に帰るという情報も含めて同社は持っていて、福岡で「顔合せ」があり、その春に同社の役員・スタッフが、わらび座が経営する秋田のたざわこ芸術村に泊まり込みで来てくださいました。同時に共同経営の愛媛の「坊っちゃん劇場」にも同社スタッフが泊まり込みで視察に行かれました。同社の動きは早かったですね。

私はいわゆる文化会館・市民ホールだけだったら受けるつもりはなかったんです。多機能連携施設だから面白いと思いました。それは地域と協働して展開している多機能で経営しているたざわこ芸術村の経験があったからですね。

ホルトホール大分は、市民ホール、市民図書館、中央こどもルーム、会議室、トレーニングルーム、健康福祉増進関連機能、障碍者福祉、ひとり親家庭支援の機能、保育所、市社会福祉協議会などなど、しかも目の前の芝生広場「大分いこいの道」(長さ444m、幅80m)と一体となった市民のためのリフレッシュゾーンの展開ができることへのワクワク感がありました。ホルトホール大分という名称は正式名称かつ愛称です。ホルトノキが大分市の木なんです。

 

水上 開館一年間の利用者が200万人を超えたとのことですが?

 

是永 開館初年度で年間208万人を超える市民の皆様に来ていただきました。すごいことです。すっかり「市民の家」になっています。開館2年目も200万人を超える予定です。三世代を超えた四世代の皆様がリピーターとなり、良く使ってくれています。ホルトホール大分の多機能の施設のなかで、一番の集客は市民図書館、次が市民ホール、そして17ある会議室です。

 

市民の家

是永 ホルトホール大分には3つのミッションがあります。まずひとつめは「市民の家」づくり、二番目に「回遊性」づくり、それから「大分ブランド」づくり、この3つのミッションで大事にしています。

まず「市民の家」。一日平均6300人が利用しています。

 

水上 毎日6000人ですか。

 

是永 特に土日が多くて4世代が集います。若い人がとても多いってのはほんとに私たちスタッフの背中を押してくれますね。まだよちよち歩きの子どもたちもご家族と一緒に良く来ます。我が家のように使ってくれています。

市民ホールにしても、舞台に立って発表する人たちがとても多く、表現活動の盛んな土地柄ですね。

 

水上 なるほどね。じゃあ稼働率もかなり高いんですね。

 

是永 平均90%超えてます。17室ある会議室も公民館並の貸室料なので、駅から2分の立地の抜群の良さともあいまって、多い日は一日で40団体ほどに借りていただいています。地域にはこんなにさまざまな団体があるのかと感心しますね。

 

水上 一階にケーブルテレビのスタジオも併設されていますね。

 

是永 大分県はケーブルテレビの加入率が75%で、九州7県の中でダントツです。大分ケーブルテレコムさんがホルトホール大分内に立派なスタジオをつくり、番組制作もしています。同社はわが国でも有数なケーブルテレビ会社で、地域貢献のミッションも高いです。開館に合わせて「市民チャンネル1」を開設しましたが、放送枠が満杯になって、今年度から新チャンネル2の「ホルトチャンネル」も開設してくださいました。県内のもぎたて情報や市民ホールのイベントの無料収録と全県放送をおこなっています。大分市出身の南こうせつさんが顧問をしているNPO法人かぐや姫の大島事務局長がディレクターになって、毎週のように県内の子ども神楽やキッズダンスチームの活動を放送しています。

 

回遊性のあるまちづくり

是永 二本目のミッションは「回遊性のあるまちづくり」。大分市ぐらいの都市だと、ピンポイントでも成り立つ大東京とは違い、とにかく「回遊性」をどうつくるかが生命線です。ホルトホール大分は幸い「情報文化交流拠点施設」の位置づけもあるので、「回遊性」を促していく格好の公共施設でもあります。目の前のJR大分駅ビルをコアとした回遊性のあるまちづくりに貢献する施設として、日々まちづくりのさまざまな団体の皆さんと動いています。ホルトホール大分がオープンして駅構内の「豊後にわさき市場」の売上が2割増えたという報告もいただいています。

 

水上 駅の活性化にも貢献しているんですね。

 

是永 JR利用者が増えていることは確かですね。列車の本数を増やすらしいです。

 

水上 まさに駅と一体ということですか。

 

是永 ちょっとした連携は日常的に実施しています。JRウォーキングの宣伝など、集客数がダントツに多いホルトホール大分で宣伝することでの効果があります。市内外、県外の団体の宣伝も、適合性があれば、できるだけチラシ等を置くようにしています。県都の情報文化交流拠点施設でもあるという使命ですね。

 

大分ブランド

是永 三つ目は「大分ブランド」です。大分の食材・食の魅力はもうブランドができています。他にも温泉県おおいたとかね。私の仕事は文化芸術のブランドづくりです。そのためには文化庁や総務省系の補助金とか、県・市の補助金などの支援もいただき、地元の皆さんとの連携で「文化芸術の大分ブランド」づくりを推進していくようにしています。

 

水上 具体的にはどのような事業を?

 

是永 全国的に高く評価されている事業の一つとして、大分県の民謡の活性化事業です。文化庁の「文化遺産を活かした地域活性化事業」の支援をいただき、一年目は大分県の代表的な民謡120曲の五線譜化をし、全五巻の民謡譜集を発行し、後継者育成、ふるさと教育や次世代教育に活用し、2年目は収載された120曲のCD化です。新年度の3年目は、その成果をもとに「ふるさとの唄を求めて」のテーマでの発表会です。この大事業は、萬謡会という民謡研究会あってこそですね。地元の魅力的な民謡コンテンツを半世紀以上の長い歳月かけて顕彰し発信している団体があることの強みと評価の仕事を手伝っています。

大分に帰郷して立ち上げた実行委員会の一つ「おおいた民謡・民俗芸能活性化委員会」の事業として一過性でない継続性のある方法をみんなでつくっています。

 

水上 今年度は舞踊支援にも力点を置かれるとか?

 

是永 ホルトホール大分開館年の前年度は、演劇支援に力点を置いて、地元の若手脚本家の書下ろし新作上演も含めた開館記念作品と40年ぶりの演劇「大友宗麟」上演を文化庁と総務省系の補助金もプラスして実施しました。「おおいた演劇活性化委員会」もそのために立ち上げました。今年度は舞踊支援に力点を置き、一つは「コンテンポラリーダンス・カルチャー」大分発信「ダンスパートナー」公演、もう一つは男子新体操界の雄、「Blue Tokyo」と地元大分のY’zカンパニーの安松良道氏の仕事との本格的なコラボレーション舞台「ムーブメント」公演です。大分には舞踊界も全国の第一線の仕事に劣らないレベルの皆さんがたくさんいます。大分の舞踊界の人的資源の魅力の再発見と顕彰の事業でもあります。

 

水上 「ダンスパートナー」はどのような公演ですか?

 

是永 コンテンポラリーダンス界の次世代の騎手の一人、山口華子さんの舞台を大分で3年前に拝見したことが企画の出発点でした。彼女は文化庁派遣で一年間ドイツにダンス研修留学した方です。ピナ・バウシュの薫陶を受けたドイツの舞踊家たちのもとで学び、帰国してすぐの舞台を大分で観たことが今回の企画のスタートでした。大分のモダンダンスの騎手・後藤智江さんたちと話し合い、山口華子さんを招いて、ワークショップをし、その成果も舞台で発表する参加型作品創造と、山口華子さんと国内外でコラボしているトモ・ディモイラ氏たち第一線の舞踊家たちの新作舞台も実現しました。トモ君のお母様は大分市出身で橘バレエ団のプリマ時代のヨーロッパ公演で、ベルギーのディモイラ氏と結婚され、トモ君が誕生したという地縁のある方でもあります。九州・沖縄一円からワークショップに参加され、またとないコラボレーション舞台が実現しました。

 

水上 「ムーブメント」はどのような舞台ですか?

 

是永 青森山田高校や青森大学の男子新体操で全国優勝常勝メンバーがエンターテイメント舞台に昇華していますが、以前から交流のある大分市のダンスカンパニー主宰の安松良道氏のオリジナル企画です。シルク・ド・ソレイユのアクターを送り出している男子新体操の「Blue Tokyo」メンバーを大分に招き、東京や大分でコラボしながら合同作品を創り発表しました。安松氏主宰のダンスカンパニーの中高校生のレベルはとても高く、クオリティが担保されています。この事業もやはり大分に魅力的な人的資源があったからこその事業ですね。日本の第一線と大分をガチンコさせる、というスタンスが大事だと思います。

 

(来週公開 「その2」へ続く。)

2015.01.05

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劇ナビインタビュー No4 特別版 イギリスの劇場の社会プログラム ④

キーシアターでのプログラム

今、私はとても小さな規模の劇場で企画を立てています。その劇場は二つ劇場空間があって、350席と112席の空間を持っています。キーシアターという劇場です。この劇場は公的助成金はほとんどゼロです。商業的な劇場として経営しています。

キーシアターはいろんな文化施設を運営するビバシティという機関の中の一つで、図書館もコンサートホールもアートギャラリーも、博物館も、そういった文化施設を一手に運営している機関です。

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私がこの劇場を経営するようになった時は、この劇場は地域住民とは繋がらないということで有名な劇場でした。

公的助成金をほとんど受けていないにも関わらず、私が劇場の経営をするようになってから、地域の人と話をしないといけないんじゃないか、と思い、地域の人と話すようになりました。

その時には、地域の人は、「ほんとに私達と話したいの?」という疑惑の目で見ていました。

最初は疑惑の目で見られていましたが、だんだん信頼感が生まれてきました。

ダンス劇団と共同して、学習障害のある人にダンスのワークショップを開くということをここでやりました。

1か月に1回、日曜日の午後は地域のブラスバンドが劇場のロビーで演奏しています。このバンドも新しい曲や、新しい楽器を使って、いろんなことを試せる形になっています。無料で提供しています。

地域のオーケストラも作りました。クラシックとジャズをミックスしたような演奏をします。

インド系の住民もたくさんいるので、インド系の地域のリーダーとも話をして、グジュラーティという民族のものを反映したものやダンスの企画、またボリウッド映画(インドの映画産業)を新しくプロジェクターを買ったので上映しています。

 

芸術評議会の新しい助成金の枠ができました。それは、地域で人々が創造的な作品を作る3年間出る助成金です。その助成金を獲得しました。

そこで、キーシアターでコミュニティのパネルを作りました。劇場が今からやることは、いろんな違ったコミュニティの人たちの中にブリッジリーダー(橋を渡すリーダー)を作って、そこでコミュニティのリーダーが話をして、今までこの劇場で行うことに除外されていたコミュニティの人たちも、この劇場でアウトリーチプログラムやワークショップ等、今まで届いていなかった地域のコミュニティの人たちに届くプログラムを作るようにしています。

 

<政策と実施戦略のために必要なもの>

衛さんは、「社会包摂のプログラムをどういうふうに経営と劇場の芸術政策に持ち込んでいくか」とおっしゃいましたが、私がこの劇場の経営監督に就任して、ここで芸術政策を打ちたてようとしたけれども、それは私一人ではなく、理事会のメンバー、管理職のメンバー、そういう人たちと一緒に劇場の方針を打ち立てました。それは、すべての劇場の管理職の人が同じ意識をもって、同じ政策を作らないといけないからです。

その政策ができた時点で、では、どういうふうに実施していくかという戦略が出てきます。

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その政策を作るときに、一体この劇場に重要なものは何かという相互理解が必要になります。その相互理解の中で必要なのは、いい作品を劇場で公演するということももちろんあります。と同時に社会包摂のプログラムを組み込むことです。

それには、社会包摂のプログラムを組むことが先ではなくて、こういった文化芸術から疎外されている人たちにどうやって疎外から芸術文化へ巻き込むかという、社会包摂が社会に必要だという、そのポイントがまず必要です。

そこで、社会包摂と文化芸術と二本の柱が必要だということを、すべての人が相互理解したうえで、そのあと、ではどういうものを提供していくのかという戦略の話に移るんだと思います。

 

来年の2月に世界劇場会議を可児市文化創造センターで開催しますが、ぜひ皆さんに見てほしいのは、可児市文化創造センターでは社会包摂及び地域の人を巻き込むという実践を実際にやっている劇場で、ずっと重要だと20年来言い続けて現在実践している劇場です。

その劇場で実践を見る機会があります。日本にもあることを実感してください。

 

<質疑応答から>

 日本でいう市民劇と、英国の仕方と、何が根底に違うのか?

日本の市民参加型との違いを説明してほしい。

 

マギー

 一つの例をお話しします。キーシアターのあるピーターバラという地域には5から6の地域住民の演劇グループがあります。ギルバータン・サリバンのオペラを創ったり、ミュージカルを創ったり、演劇を創ったり。そういう地域住民の舞台演劇グループです。その人たちはキーシアターを貸し小屋として借りてここで作品を発表します。

そういう地域住民の演劇グループは自分たちの中で演出家を使っています。たまにはお金を払ってプロの演出家を雇い入れることもあります。キーシアターはその人たちに舞台の技術に関してのことをヘルプします。基本はスペースを貸すということです。

 

一方で、英国の地域劇場は「制作劇場」です。ひとつのプロの作品、自分たちの作品を作っていく。大型の演劇を作るときには、プロの役者と地域のアマチュアの役者と両方を使う時があります。その時のルールがあって、地域住民およびアマチュアの役者さんたちはひとまとめで演出される。そういうルールがある。それはプロの役者の領域には入れないということなんです。

 

そういうコミュニティの役者の使い方もありますが、ドキュメンタリーシアターは、全く違うものです。作品は、プロの芸術チームが演出、編集、美術の全てをやり、役者もプロで上演。地域の人が観たら、自分たちの人生を作品で観る。その形がドキュメンタリーシアターです。

 

ウエストヨークシャープレイハウスを例にとれば、ユースシアターがあります。お年寄りの劇団が発足した時もあるんです。シェフィールドシアターやグラスゴーシチズンズシアターなどにも、ユースシアターがあります。

 

シェフィールドシアターは劇場自身がコミュニティのカンパニーを持っているという形です。地域住民のアマチュアの人の演劇の集団を作っています。

 

 

(講義収録編集 水上徹也 シアターネットプロジェクト 代表取締役)

 

 

世界劇場会議は、来年21314日に岐阜県可児市文化創造センターで開催されます。

世界劇場会議国際フォーラム「社会包摂と劇場経営」

講師には、マギーさんの他に、ジェイムス・ブライニング、ダン・ベイツが登壇します。文化庁関係者をはじめ、世田谷パブリックシアターの劇場部長の楫屋氏ほか、国内の論客も登壇します。

2014.08.15

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劇ナビインタビュー No4 特別版 イギリスの劇場の社会プログラム ③


ウエストヨークシャープレイハウスの社会包摂プログラム

e-wyp01.jpgのサムネール画像ウエストヨークシャープレイハウスの「ヘイデイズ」は初代監督ジュード・ケリーが25年前に作ったものです。

ヘイデイズでは、演劇だけに限らず、絵をかく、文学を読む、ディベートをする、フィットネスをする等、クラスが多様にあります。

現在、シェフィールド劇場でチーフエグゼクティブをしているダン・ベイツは、私のもとでウエストヨークシャープレイハウスで働いていました。その時に、ダンは「サイバーカフェ」というものを設置しました。ロビーの一角にコンピューターのコーナーを作ったんです。

まだまだ、コンピューターを使えるお年寄りの方はいなかったので、無料で、お年寄りがどうやったらコンピューターを扱えるものかを学びました。先生には、同じ教育プログラムを受けている若者たちが先生となってお年寄りにコンピューターのスキルを教えた。

そこで、コンピューターを使って、若者と老人との交流ができる。そういうコーナーをダンが作りました。

もちろん、ウエストヨークシャープレイハウスの活動は進化していますので、「ヘイデイズ」と「サイバーカフェ」だけで終わっているわけではなく、どんどん広がっています。

進化した例の一つには「ビューティフルオクトパスクラブ」というのがあります。もともとロンドンで始まったものなんです。それをリーズでもやろうということになって、身体障碍者、もしくは知的障碍者の方たちが集まって、ディスコを作って、そのディスコにハチャメチャなコスチュームで集まる、そういうことをやっています。

 


ただ、その根底にあるものは何かというと社会包摂の考え、社会のいろいろな人たちが共存していくという、そのコンセプトがウエストヨークシャープレイハウスの一番の価値観となっています。

 


  公的助成金が貰えるからやるのか?

では、社会包摂のプログラムというのは、行政が言っているからやるのか、行政から公的助成金が貰えるからやるのか、もしくは、貰っているからやらないといけないということになるのか。それとも、劇場が情熱をもってやりたいと思っているから、とにかく実施して、そして、助成金があとからついてくるのでしょうか。

 

ウエストヨークシャープレイハウスというのは、ほんとに一番すごい例なので、社会包摂のプログラムというのを助成金があるなしに関わらず、ずっと考えてきました。

社会包摂のプログラムを組み込まないといけませんという文化政策が出てきたときにはいろいろな問題が持ち上がりました。じゃあ、そういったプログラムをやるお金はどこから出てくるのか、とか。

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社会包摂という政策があるからやるのではない、補助金がついているからやらなければいけない、ではないのです。最初にあるのはその劇場の価値観です。差別があっていい、とか、社会的孤立があっていいとか、それをよしとする人たちには社会包摂の事業はできません。さらに、実現する情熱がなければ、それを事業にすることはできません。

 


  各地の芸術機関への広がり

ウエストヨークシャープレイハウス以外の劇場や文化施設でもこういった社会包摂のプログラムを政府が唱える前にやっていたところがあります。そこで、芸術評議会はそういった素晴らしいプログラムを組んでいる文化芸術機関を選び、その芸術機関の人が「うちではこういうことをやっています。」といって他の芸術機関に広めるようなことをしました。

 

文化施設内の優先順位はだんだん変化があったんですけれども、優先順位は単純に劇場に作品を見に来るお客様を増やすということではなく、実際市民が参加できるワークショップやプログラムを作って、その中で文化に触れる、芸術に触れるということがどういうことなのか、というのを、身をもって体験していくということをしていきました。

 

社会包摂のプログラムを持つ劇場は、きちんとした統計はわかりませんが、芸術評議会の定期的な助成金を受けている芸術団体は50前後。その劇場や芸術団体は社会包摂が劇場のDNAになっている。重要なことは、それぞれの50団体がみんな違った社会包摂のプログラムを組んでいますが、それぞれの地域で違うものです。地域のニーズが違うので、地域のニーズに合った社会包摂のプログラムを独自にみんな作っています。

 

掲載写真、上は「ヘイデイズ」。下は「ユースシアター」。いずれも、ウエストヨークシャープレイハウス

(続く)

2014.08.15

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劇ナビインタビュー No4 特別版 イギリスの劇場の社会プログラム ②

~文化芸術への参加

どういう戦略を立てて、そういう人たちを文化芸術に参加させたり巻き込んだりしたらよいのでしょうか。

劇場でやっている作品を観客が見に来ることではなく、どういうプロセスで文化芸術ができるのか、実際手を下して学ぶことができる、それが、教育プログラム、コミュニティプログラムです。

 

ギリシャ古代劇を考えてみます。古典の元とは、単純に人々が集まって、そこで何かが始まる。人々が一緒に交わる、そこで何かが始まる。人々が集まる場所、それがギリシャ劇の源でした。

 

<社会包摂のプログラム>

人を集めて、集めた人たちの中でインターアクションをしていくことが必要だと思います。

人々がインターアクションしていく場を提供していくのが、これからお話しする社会包摂のプログラムです。

 


  社会包摂プログラムを、国の制度が出来る前から行ったジュード・ケリー

たしかにブレア首相が社会包摂を唱え始めたのはいいことです。ところが、ブレア首相が使い始める前から、社会包摂が大切だと、そういった活動を情熱をもってしていた文化施設はありました。

私がウエストヨークシャープレイハウスに務めていた時はまだ、ブレアは首相になっていなかった時です。その時に、初代芸術監督のジュード・ケリーが、非常に文化業界の中で影響力のある人、常に意見を求められる人なんです。その方がウエストヨークシャープレイハウスで社会包摂を根本にしたプログラムを組んでいました。

そういう文化リーダーがブレアに影響を与えたという事実があります。

 ep-wyp3.jpgのサムネール画像

写真は『ウエストヨークシャープレイハウス』 (リーズ)

 

声を大にして言いたいのは、社会包摂の企画をするところもあれば、逆に社会排除の企画をするところもあるということです。それは、法令で決まる決まらないという話の前に、そういったことを考えるビジョンと、つくるプログラムにどれだけ打ち込んでいくか。人間の情熱とビジョンが必要です。それは、社会包摂をする人が格差のある社会というのはよくないという最初の情熱やビジョンが必要だと思います。

 e-wyp114.jpgのサムネール画像

ウエストヨークシャープレイハウスでのプログラムの一つ「ヘイデイズ」の様子

 


  ピーター・チーズマンのドキュメンタリーシアター

社会包摂という言葉が政治的な言葉となって、法令となって、それに対して公的助成金が行われることになった前に、こういったことをしていた人の例をご紹介します。

それは、昔勤めていた、ストークオントレントというところにあるオールドビック劇場です。そこの芸術監督をしていたのは、ピーター・チーズマン。ドキュメンタリーシアターを作ることで非常に有名だった。ドキュメンタリーシアターとは何かというと、地域の人たちのいろいろな人生の話をストーリーにして、それをコミュニティの人たちを使って作品化するというものです。

この地域は労働者階級の多い地域で、炭鉱労働者もいれば鉄鋼場の労働者もいれば、スタッフォード社の鉄道を作る人もいる。ブルーカラーであり、労働者階級。その人たちの話。また、炭鉱労働者のストライキの話を妻の目から見て語る話。そういったドキュメンタリーシアターをたくさん作りました。

ドキュメンタリーシアターはプロの役者が地域に出かけて行って、地域住民にインタビューをするんです。例をとれば、鉄鋼工場が閉鎖される、それを防ぐような活動をしていた労働者がいました。そういう人たちのところに出かけて行ってそれぞれの経験を全部聞いてくるんです。一方で、その工場を閉鎖しようとしている政治家とか反対している政治家とか、そういう人たちのところにも役者が出かけていって、話を聞いてくる。それを作品にまとめる。その話を聞いてきて、できた作品は、プロの芸術チームが演出、編集、美術の全てをやり、役者もプロで上演。できた作品は、地域の人が観たらすべて「自分たちのストーリーがこういうふうにすべて作品になっている。」自分たちの人生を作品で観る。その形がドキュメンタリーシアターです。

このシアターは、ストークオントレントの地域の人たちに愛され、しかも「これは自分たちのものだ」って、誇れるもの、それを作りました。

(③へ続く)

2014.08.15

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