劇ナビFUKUOKA(福岡)

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制作発表 全参加者コメントおよびインタビュー

まどかぴあ舞台創造プログラム プロデュース公演

「浮足町アンダーグラウンド」
 

制作発表記者会見
平成28年6月13日(月)大野城まどかぴあ 大ホール


地域の演劇文化の普及育成事業を行ってきた大野城まどかぴあが、開館20周年を機に、新たに挑戦・発信することを目的に行うプロデュース公演。
今までに「キンドー芝居」や「子どもミュージカル」「リンクシアター」「九州戯曲賞リーディング公演」など、演劇分野に力を注ぎ、今回のプロデュース公演には、180人の応募がありました。
応募者の中から選ばれた14名の俳優と、作家:中島かずき、演出:内藤裕敬、俳優:池田成志を迎えて制作発表が行われました。
稽古は8月から始まり9月の本番へ向かう。また、初の巡回公演も行います。

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林田 スマ(はやしだ すま)(大野城まどかぴあ 館長)
20周年、夢と希望と感謝とエネルギーをすべてこめて、9月がとっても楽しみです。素晴らしい舞台にしていきたい。八代、宮崎へこの舞台が広がっていくことも大喜びしています。

 

 

 

 

 

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小磯 上(こいそ ほずる)(公益財団法人大野城まどかぴあ 文化芸術振興課文化芸術振興担当 係長)
3年前から種をまいて、時間をかけて育ててきた取り組みが9月に実を結びます。
「地方の公共ホールでも本格的な演劇公演が創れる」ということをたくさんの方に知っていただきたいです。
 

 

 


 

中島 かずき (なかしま かずき)
  中島です。今日はありがとうございます。僕は福岡の田川市出身で、筑豊炭田、僕が生まれた時には既に閉山しており斜陽の時代ではあったが、そこで育ちました。

今回、福岡で芝居をつくる機会をいただき、自分なりの炭鉱の話をやってみようかな、と思いました。ただし、そんなにリアルなものではなく、子どもの時から田川にいたことで、ああいう土臭い町に育ったことが自分は嫌で嫌で仕方がなかった、でも、やっぱり心底嫌いにはなれない。そんな気持ちをベースにした作品を書こうと思います。

内藤さんと一緒にやるのは初めてなので、それも含めて新鮮な気持ちで芝居を創れると思いますので、よろしくお願いします。

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劇作家・脚本家。
85年より座付き作家として劇団☆新感線に参加。以後、『阿修羅城の瞳』『髑髏城の七人』などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇“いのうえ歌舞伎”を多く生み出す。劇団の本公演以外での近年の舞台作品は『真田十勇士』(13,15)。演劇界にとどまらず、コミック原作やアニメ『天元突破グレンラガン』(07,09)の脚本・シリーズ構成、『仮面ライダーフォーゼ』(11-12)の脚本・メインライター、『キルラキル』原作・脚本、『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ逆襲のロボとーちゃん』脚本など幅広い活躍を行う。

内藤 裕敬 (ないとう ひろのり)
 内藤です。(中島)かずきさんとは20代前半から、(一緒に仕事はしたことがないが)大阪の焼鳥屋でたまに会う仲でした。(池田)成志さんとは飲んだくれているときに新宿あたりで会ったりしていた(笑)。 

福岡には、自分の劇団(南河内万歳一座)も早い時期から呼んでもらっていて、西鉄ホールで公演したり、まどかぴあにも随分昔から、開館当初から関わりがありました。

そんな中で、地元の劇団の諸君ともだいぶ交流ができるようになり、今回も何人か昔からの馴染みがいます。

そして、こういうところでまた交流がひろがる事業を、公共ホールのまどかぴあが地域振興としてしっかりと踏ん張ってやっていくというのは、素晴らしいこと。それに協力できることは光栄と思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

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南河内万歳一座・座長。
59年栃木県生まれ。高校の時に状況劇場『蛇姫様』(作・演出/唐十郎)を見て芝居の道へ。1979年、大阪芸術大学(舞台芸術学科)に入学。4年間、秋浜悟史教授(劇作家・演出家)に師事。その間、“リアリズムにおけるインチキの仕方”を追求。80年、南河内万歳一座を『蛇姫様』で旗揚げ。以降、全作品の作・演出を手がける。現代的演劇の基礎を土台とし、常に現代を俯瞰した作品には定評があり、兵庫県立ピッコロ劇団や世界的ピアニスト・仲道郁代との共同企画など、劇団外での作・演出も多数。00年読売演劇大賞・優秀演出家賞受賞。著作に『内藤裕敬処女戯曲集劇風録其之壱』『青木さん家の奥さん』がある。

 


池田 成志 (いけだ なるし)
池田成志でございます。よろしくお願いいたします。

僕はここ大野城市出身なのですが、かずきさんの出身地の田川とか、博多とか、他の地域は色々特色がある土地柄ですが、大野城市はとりたてて特徴がある地域ではございません。

あるとしたら、地名の由来となっている大野城という古代の城があったとか、蒙古襲来の堤防の遺跡(水(みず)城(き))があったとか(このあたりまで海岸だったんですよね)、近くに太宰府があるとか。

だから、きっとかずきさんは古代の話を書かれるのではないかな、と勝手にイメージしていましたが、まさかの炭鉱の話だと(笑)。一体何の関係があるんだ!と若干戸惑ってはおります。

地元で創るお芝居、地元の役者さんと共演するのも初めて…でもあまり緊張はしていません。

なるべく今回はキリキリしないことをテーマにしようと思ってます。できるだけのんびり、ほこほこしながら、熱い夏を乗り切りろうかと。

地元で1ヶ月間親孝行もできるし、色んなことをほこほこ、熱く、あたたかく考えながら、やっていこうと考えています。

もちろん、新しい作品を創るんだ!という気概もありますが、このまどかぴあという小屋は、東京にあったとしても結構良い小屋だと思うんです。

なので、ぜひ福岡近郊の方、および九州近郊の方に、ちらっと見にきていただければなぁと思いながらやらせていただきますので、どうか、どうかどうか一つ、よろしくお願いいたします。

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62年生まれ、福岡県大野城市出身。早稲田大学在学中の82年「第三舞台」に参加し、俳優活動を開始。オフビートなキャラクターを得意としつつ、多くの劇作家・演出家の作品に出演し演劇界を牽引する俳優のひとり。2013年、イキウメ『獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)』およびNODA・MAP『MIWA』の演技を高く評価され、第48回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。

 

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阿部 周平 (あべ しゅうへい)
選ばれたからには、皆さんの心に長く残る作品作りのために頑張りたいです。

福岡県古賀市在住
1982年、福岡生まれ。裏方として劇団・万能グローブ ガラパゴスダイナモスに参加。次期公演で役をもらい演劇を始める。所属劇団本公演の他、同じく福岡で活動する若手劇団に客演。 他、イベントの仕掛け人や冊子のモデル、コンサートの幕間劇出演など、ジャンルを問わず活動中。

 

 

 

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岩本 将治 (いわもと まさはる)
ワクワクしています。ワクワク感を胸にのりきりたい。楽しんでもらえる作品を作りたい。

福岡県福岡市在住
福岡市出身 小学校でサッカー、中学、高校で柔道に没頭。その後、某プロレス団体を受験するも不合格。1993年、東京で芝居を始める。2002年、拠点を地元福岡に移し、舞台、映像で活動中。最近では、北九州芸術劇場プロデュース公演「彼の地」、フィリピン映画「インビジブル」等に出演。

 

 


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岡 武史 (おか たけふみ)
熱く泥臭く、エネルギッシュに。魂燃やして。やらしていただきたい。

福岡県福岡市在住
22才の時に初舞台を踏み、その後一年間福岡の劇団で活動したのち上京。東京では目立った活動は出来なかったが、今の自分の芝居の師とも呼べる人と出会い、そこで三年程学び帰福。帰福後は事務所へ所属、舞台、ドラマ、映画、CMなど映像の方でも活動。その後、昨年九月に所属事務所を辞め現在はフリーで活動中。

 

 

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木内 里美 (きない さとみ)
熊本から来ました。楽しみでワクワクしています。暑い夏が楽しみ。

熊本県菊池郡在住
劇団SCOT、演劇集団かもねぎショットを経て、2005年、熊本を拠点にThe ちゃぶ台を主宰。自作自演のおばぁちゃんシリーズは幽霊との不思議な出会いの「やまとなでしこ」や一人芝居「とめばぁさんのある一日」など県内外で巡演。他に平田オリザ作「隣にいても一人」や池田美樹作「上通り物語」などに客演。


 

 

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元一 (げんいち)
この公演がいろんな人の力で作られていることを感じながら、最後まで頑張ります。

福岡県福岡市在住
30歳。2011年より始まった無倣舎のプレイバックシアター「ゆめみるきかい」の影響を受け、実在する人間や事件に寄り添う演劇表現を模索するプロジェクト「サンピリ」の演出家として活動。2015年度は一人芝居を中心に10作品を企画し、福岡・長崎・北九州・熊本・名古屋を駆け回った。歌う。


 

 

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小湊 倫子 (こみなと りんこ)
大野城市出身、大野城市育ち、大野城市在住です。大野城でこういうことができるのがとっても嬉しい。お芝居を普段見ない地元のたくさんの方々にお芝居を楽しんでいただいて、こういう役者さんたちが福岡にいるんだ、って知って欲しい。頑張ります。

福岡県大野城市在住
大野城市在住。9歳より演劇塾アトリエGOCCOにて演劇やモダンダンス(Margaret Morris Movement)を学ぶ。2012年に活動を再開。様々な表現活動を通して「文化芸術を身近なものとして楽しむ」ことを多くの人に知ってもらいたいと、演劇、ダンス、ミュージカル、落語、よさこい等、幅広く活動している。

 

 


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酒瀬川 真世 (さかせがわ まよ)
地元にしがみついて生きてお芝居をやっている人間が創って「これだけのものが作れるんだよ」ということを若い人たちにも観てほしいです。

福岡県福岡市在住
1979年、福岡生まれ。フリーの俳優として福岡・九州を拠点にさまざまなカンパニーで多数の舞台経験を重ね、映像作品やラジオ・CMナレーション、落語など多方面で活動。「その空間にある身体」から演劇を立ち上げる。また2013年から韓国釜山の演劇人との滞在共同製作を続けている。

 


 

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椎木 樹人 (しいき みきひと)
お三方と一緒に地元の俳優が一緒にお芝居を作れることが刺激的です。観に来てくださる皆さんに新しいものをお見せできると思います。その一員として頑張ります。

福岡県糟屋郡在住
万能グローブガラパゴスダイナモス代表。2004年、福岡にて「万能グローブガラパゴスダイナモス」結成。 以後、全ての公演に俳優として出演。外部出演も多数。近年は、北九州芸術劇場プロデュース公演などに出演するほか、積極的に東京や大阪の舞台に出演するなど、福岡にとどまらず日本を股にかけた活動を展開中。


 

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高野 由紀子 (たかの ゆきこ)
家を改造して公演しています。まどかぴあの舞台にはその家が7個入るかな(笑)。夏がとっても楽しみです。

福岡県行橋市在住
1988年生まれ、福岡県行橋市出身。2006年自宅劇場『守田ん家。』を拠点に活動する、演劇関係いすと校舎に入団。飛ぶ劇場、ままごと、北九州芸術劇場のリーディングセッションやプロデュース公演にも多数出演、子ども向けWSのアシスタントも務める。からあげだいすき。


 

 

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中村 大介 (なかむら だいすけ)
たぶん一番若い年齢で、光栄です。素晴らしい作品を皆さんにお届けできるように頑張りたいです。

福岡県福岡市在住
1990年、福岡生まれ。大村美容ファッション専門学校に通いながら2009年に演劇ユニット福岡ゆう子TPN銀行を旗揚げ、主宰として演出、出演、衣装製作する。2012年からは(劇)池田商会に所属し衣装、俳優として活動を始め、高校、専門学校のスタッフワークとしての衣装指導なども行っている。またNHK福岡放送局にて行われた古代エジプトファッションショーでは衣装製作も行った。

 

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中村 雪絵 (なかむら ゆきえ)
メンバーが太めの人が多いので(笑)、紛れないように個性を出していきたい。

福岡県福岡市在住
2002年劇団ぎゃ。を旗揚げ。2014年解散まで全ての脚本・演出を手がける。同劇団にて東京・大阪・福岡3都市ツアーや市民吹奏楽団とのコラボレーション劇など企画性の高い作品を制作。NHK福岡放送局やアクロス福岡主催事業のショー構成・演出、脚本・演出など放送局や文化施設主催のイベントや演劇作品も多数手がけている。福岡屈指のコメディエンヌとして知られており、ギンギラ太陽'sや劇団あんみつ姫など福岡の有名劇団に数多く出演。

 


 

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松岡 優子 (まつおか ゆうこ)
まどかぴあの節目になる作品に関わることができて光栄です。熊本は今、ホールが避難所になったりして、演劇を見る環境がないです。この作品を八代に持って行けることがとても嬉しいです。

熊本県熊本市在住
幼少よりバレエを亀井聡一郎、隆一郎に師事、北九州&アジア全国洋舞コンクール入選。高校・大学の演劇部を経てゼロソーに旗揚げから所属。2013年度は舞台生活30周年記念公演群を上演。近年の代表作に「フォルスタッフ/ウィンザーの陽気な女房たち」「チッタチッタの抜け殻を満たして、と僕ら」「父と暮せば」など。


 

 

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山下 晶 (やました あきら)
ずっと九州で福岡を中心に活動してきました。今回100パーセント役者として関われるのでワクワクしています。

福岡県大野城市在住
2002年に『役者の、役者による、観客のための集団』を旗印にグレコローマンスタイルを結成。2008年以降、プロデュース公演以外は全作品で作・演出。出演。役者としては福岡県外で制作された作品にも多数出演している。また、映画、TVドラマ、ラジオドラマ作品にも多数出演しており、劇場空間にとどまらないマルチな活動を展開中。

 


 

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横山 祐香里 (よこやま ゆかり)
気合を入れて「福岡の俳優だ」って、頑張っていきたいです。

福岡県福岡市在住
久留米市出身。小学生の頃から演劇に興味を持ち、地元の市民劇団やミュージカルで活動。2008年からは福岡の劇団・万能グローブ ガラパゴスダイナモスに入団し、劇団公演や九州の外部団体へ出演。近年は自主公演を企画し、脚本・演出も手掛ける。2016年3月には福岡・長崎・熊本で一人芝居のツアーを行った。

 

 

DSC_2772.jpgのサムネール画像<中島さんに質問>
Q:どんな物語になりますか?この作品に盛り込みたいメッセージは?

A(中島):浮足町という福岡にある架空の町。炭鉱町というといくつかの街並みが想像できるが、どことは限定していない。その町に、第二次大戦に陸軍が開発していた人造石炭採掘人間「ホランド」を探しにくる人たちがいるのだが、町は何となくのんびりしている、そのようなところから始まる物語です。

書いているものを観ていただいて、観た方が受け取ったものがメッセージだと思うので、あまりここで言うことでもないし、言えるものでもないと思います。ただ、面白いものにはなると思いますので、それを観に来ていただければと思います。

Q:テーマを炭鉱にされた理由は何ですか?

A(中島):今回、このお話をいただいて、福岡で作るということで、福岡の話が良いだろうなと。

そして、先ほどお話したように自分は田川市出身なんですが、実は僕、地下を掘る話をよく書いているんです。新感線でもよく「今回は洞窟ですね」とか「今回は地下ですね」とか言われるんですけど、意外と穴を掘って解決するという話が多いんです(笑)。

それはもう、そういうもんなのかなと、あの町に生まれたからなのかなと、何となく思っていたので、じゃあ、そこをちゃんとやってみようかなと。ちゃんとやると言っても、自分がやる時にあまりリアルにやっても仕方ないので、(演出が)内藤さんなので、もうちょっとアングラ的なものがいいかな、じゃあ「アンダーグラウンド」だな、ということで、非常に安易なところから始めた話なんです(笑)。

しかし安易なところから始めて考えてみたら、あまり自分ではやったことがない話のつくり方の作業だったので、意外と今、悩みながらまとめているところです。

<内藤さんに質問>
Q:地元の俳優を使います。演出としてどのようなことに心がけようと思われていますか?

A(内藤):オーディションに200人近く(180人)の応募があり、書類選考して80人ぐらい(71人)に絞りました。その人たちをグループに分け、3日間かけて見させていただいた。その中からの選抜メンバーです。

Q:精鋭ですね。

A(内藤):精鋭中の精鋭です(笑)。書類選考で残った人たちのうち、ほとんどが可能性を持っていた。

ちょっと鍛えたらよくなるのにな、あともう一歩ハードルを越えたら物凄く面白くなる、ちょっと経験が欲しいか…という人がいっぱいいた。

今、大阪でこういったオーディションをしても200人も応募がない。たとえそこから書類選考で80名に絞ったとしても、箸にも棒にもかからない人が1/3ぐらいはいる。それが大阪の現状かなと思う。

今回、オーディションで見た人それぞれが色んな可能性を持っていらしたので、これは地域として潜在能力が高いということだろう。それにもかかわらず、それを発揮できる、開花させる企画・プロデュースが少ないのではないか、という気がしている。

そういう意味で、今回はこの地域が持っている俳優の潜在能力が高いということを、しっかりと舞台で証明しないといけない。それは固く心に決めていこうと思っています。

Q:ご自分の劇団に連れて帰りたいと思う役者さんはいますか?

A(内藤):それは出てくると思いますよ。落ちた人の中にもいました。

本当にオーディションは楽しかった。別の機会で、別の作品でお逢いできたら、しっかりと良い俳優に成長するだろうという人もいたので、そういう機会が福岡にいっぱいあればいいのになと思います。

 

<池田さんに質問>
Q:地元の大野城でこの企画をやる、今のお気持ちを教えてください。

A(池田):非常に照れくさいですね。福岡の人間はみんなお調子者ばっかりなんで、自分もつい調子に乗って引き受けて、えらいことになったなと思っています(笑)。

一緒にやったことのない人ばっかりだし、1ヶ月も福岡で稽古するのも初めてだし。まぁ、大変だろうなと思いながらも、僕も結構良い歳なので、そういった新鮮な経験をするべきだよな、そうだよね、という気持ちがふと湧いてきました。

母も住んでいますし、大野城市におべっかを使っておかないと今後いけないんじゃないか、恩返しをしないといけないんじゃないかという浅ましい気持ちもややあって(笑)、お引き受けして、頑張ろうと思っている次第です。非常に照れくさいです(笑)。


林田館長に質問>
Q:今回、大野城市だけでなく九州に発信しようと思ったのは?

A(林田):企画した職員のねばりにつきます。大野城発、大野城プロデュースの公演ということで、九州各地でこのお芝居を観ていただきたいという思いで、あちらこちらにお願いに行って、八代、宮崎が受け取ってくださった。その受けとってくださった側の思いも伺いたいと思います。

DSC_2824.jpgのサムネール画像谷口 亮二(八代市 経済文化交流部文化振興課・八代市厚生会館 主任):貴重な機会を持ってきていただいて光栄に思っています。
立山 ひろみ(公益財団法人宮崎県立芸術劇場 演劇ディレクター):宮崎でも創造事業をしています。今回のキャストの中にもこちらの事業に参加してくださった方もたくさんいらっしゃいます。地方から作品を創造して発信していくことは、今、とても必要なことだと考えていますので、この企画にも参加させていただきました。

林田:職員たちの「この企画をやりたい!」「できあがったものをたくさんの人たちと共有したい!」という思いが、こうして八代、宮崎に届いて、とても嬉しく、今まさに浮き足立っている状態です。
企業メセナの元祖であるふくやさんにも今回、お力をいただきました。川原社長にも、一言いただけますでしょうか?

DSC_2830.jpg川原 正孝(株式会社ふくや 代表取締役社長):今回、大野城まどかぴあ20周年ということで、私も丁度社長になって20年。

まどかぴあは長年、芸術・文化を中心に取り組んでいらして、私どもも何らかの形で応援させていただいています。

今回、私も舞台を観るのは好きなんですが、特に当社の副社長が演劇好きで、今回の企画は素晴らしいメンバーだということを聞きつけてきました。

さらに、地元の人たちも参加するということで、福岡・博多の人間というのは、芸どころと言われるぐらい、どこでも出て何でもしきるメンバーですので、今回のキャストの方々も殆どそうじゃないかなと思います。池田さんを中心に、面白い作品ができるのではないかと、物凄く期待しています。

我々も微力ながらこういった形で、文化芸術が福岡の地でずっと大きくなるように、加勢していきたいと思っています。

 

小磯さんに質問>
Q:今回、脚本と演出を中島さんと内藤さんにお願いした理由を教えてください。

A(小磯):まず、私どもで「何か創りたい」という思いが芽生えた時に、やはり福岡出身の方とか、まどかぴあにご縁があった方に依頼したいという思いがありました。

中島さんは、まどかぴあ開館当初から劇団☆新感線の公演をやらせていただいたこともありますし、九州戯曲賞の受賞作品のリーディング公演をさせていただいていた時に、その戯曲賞の審査を中島さんがされていました。「この年齢になると、福岡に帰って何かやりたいなと思うことがあるんです」とおっしゃっていたのを、私が聞いていたんです。

そして、脚本を誰にお願いしよう、となった時に、中島さんがそういえば、そういったことをつぶやいていらっしゃったなと(笑)。本当に怖さ知らず、ダメもとで、お願いできないでしょうかとお電話しましたら、「スケジュールが合えば」ということでしたので、東京に伺って正式にお願いをさせていただき、書いてくださるということになりました。

最初は中島さんの既存の作品を使わせていただくのでも、と思っていたのですが、ご厚意で新作書き下ろし、そしてあて書き、ということになり、本当に贅沢な、こんなに贅沢な作品でいいのだろうかという企画になりました。

内藤さんには、以前別の事業でご一緒させて頂いた時に「なんか創れよ。創んないとだめだよ」と言われまして、その時「創る時には何か手伝っていただけますか?」とお聞きしたら、内藤さんは覚えてないとおっしゃるんですが(笑)、「創るんだったら手伝うよ」とおっしゃっていただきました。

その男気に私が乗っかったという形です。「内藤さん、おっしゃいましたよね?」というと「覚えてねーよ!」と言われたのですが(笑)、ごり押しをしてお願いをしました。

そして、数年前にこのまどかぴあの舞台で、池田成志さんが「満月の人よ」という作品に出演されまして、その時に、大野城市出身でこんなに素晴らしい役者さんがいらっしゃるということで、私どもの上司からも「(池田さんを)大事にしなさい。もし何かまどかぴあでやる時には、絶対池田成志さんに関わって貰わないといけないだろう。」と言われました。このプロデュース公演を企画した時に、一番最初に決まっていたことは、「池田成志さんに出演をお願いする」ということでした。ただ、正式にご出演は決まっておらず、自分たちの中で決めていたことではありますが。そこから始まりました。

そして、この企画をするのであれば、20周年の節目がいいだろうということになりました。皆さん本当に快く引き受けていただいたおかげで、この公演が成り立っていると思っています。実は私も今になって、ちょっと怖くなっています。大変なメンバーに関わっていただいているということを、改めて感じています。ですが、9月、大輪を咲かせますので、どうぞよろしくお願いいたします。

<オーディションで選ばれた皆さんへ質問>

Q:今回は色んな九州の劇団のコラボレーションのようです。地元キャストを代表して、山下さんから一言。

A(山下):僕はもう長いこと福岡で演劇をやっているんですが、今回初めてご一緒する方もいますし、昔から知っている人もいます。

今回のような企画は、特別なことではないんだと思っていて、これが日常になるような福岡の環境に早くなるべき。そして、やっとなってきたというのが、率直な感想です。

これを契機に、どんどんこういった企画が、大野城、福岡、九州と増えていって、発展していけばいいなと思っています。その第一歩を踏み出す僕たちは、幸せだなと思います。

Q:今回、万能グローブ ガラパゴスダイナモスから最多の3人が選ばれていますが、その代表の椎木さんから一言。

A(椎木):本当に光栄なことに、今回うちの劇団から3人選んでいただきました。僕らは福岡で10年劇団をやってきて、福岡から何か創りたいとか、福岡から何か発信したい、それにこだわってやってきました。

今回、プロデュース公演は福岡では久々ですし、それにうちのメンバー、他の選ばれた方々、そして内藤さんも中島さんも池田さんもいらっしゃるということで、「やらせていただいている」という気持ちではなく、自分たちが地に足をつけて、「僕たちが面白いものを創るんだ」という気持ちでやりたいと思っています。特にうちのメンバーとはそういう話をずっとしているので、本当に気合いを入れて、ある意味、言葉は悪いですが、舐められないように一生懸命努力をして、舞台に立ちたいと思っています。

<さいごに>

Q:中島さんに代表してお聞きします。どういうところに注目して観に来て欲しいか、コメントをお願いします。

A(中島):僕や池田さんのように、福岡で生まれ、それなりに年を重ね経験を経た人間がここに戻ってきて、そして、今ここで暮らしている人たちと一緒に芝居を創る、そういう形の中で、ここ福岡で新しいものが生まれる。

でも、もちろんそれは福岡で終わるものではなく、熊本(八代)、宮崎を回り、もっと言ってしまえばもっと先のところまで広がるような可能性を持った芝居を創れればいいなと思っておりますので、ぜひ、そういった新しいことが起こる現場を、確認しに来ていただければと思います。

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取材・文責:水上徹也
 

2016.06.27

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