ニューヨークにもありますが、「tkts」というチケットサービスがロンドンにもあります。
ウエストエンドのミュージカルや芝居の当日券を最大で50%オフで販売してくれる便利な窓口です。ロンドン・シアター・ソサエティという組織が運営していて、観客を増やすことを目的に劇場がまとまってその日のチケットを提供するサービスです。午前10時(日曜日は11時)からその日の舞台のチケットを割安で購入することができます。ニューヨークに比べて取り扱っているチケットが少ないように感じましたが、11時に窓口に行くと長い行列ができていました。
順番を待って、人気のミュージカル『プリシラ』(ロンドン・パレス劇場)を購入。 19時30分からの開演なので、劇場の下見も兼ねてウエストエンドを散策しました。
前にも紹介しましたが劇場街の広さは、1.5キロ四方程度。
福岡でいえば、タテが天神パルコの交差点から渡辺通りを下ってFBS福岡放送局くらいまで、ヨコが渡辺通りから川端商店街までくらいでしょうか?そのエリアに、40件を超す劇場が軒を並べて連なっている様子は壮観でワクワクしてきます。ロンドンのストリートは微妙な角度でカーブしているため、よく地図を見て歩かないと思わない方向に進んでしまいます。ちょっと路地に入ったかなと思ったら、その目の前にも小さな劇場を見つけて、こんなところにもあった、なんて驚かされます。
散歩の後、パブでフィッシュ&チップスとビールで腹ごなしをした後、いざパレス劇場へ。
『プリシラ-砂漠の女王-』
この作品は映画を舞台化したものです。映画のほうをご存知の方も少なくないのでは?
割引で手に入れたチケットの席は思ったよりも前方の中央付近。こんなに良い席が当日に安く手に入るのなら、通常料金の前売り券はなかなか売れないのでは?と思うのは、我々日本人。イギリスでは、定価で購入したことにステイタスを感じるようです。階級意識が根強い国民意識ならではでしょうか。
さて、作品のほうは、ゲイの3人組が巡業のバス旅行に出かけます。ハチャメチャな騒動と聴きなれた音楽。サブタイトルに「砂漠の女王」とあるように、バスは砂漠のロードをひた走る。そこにはゲイを受け入れない街や、マイノリティに偏見を持つ人々など、大都会では今では日常の中に埋没してしまった出来事が待ち受けています。傷つきやすいがたくましいヒロイン?たち。シュールでデカダンで猥雑。とても品が良いとはいえませんが観客席はノリノリ!最初から最後まで爆笑の渦。終幕でメンバーの一人が息子と再会して自分がゲイであることを告げますが、この時のシーンが何ともいえません。男の子役がとてもかわいく、作品に清涼感を与えてくれます。ラストはオールスタンディングオベイションで終演後も興奮冷めやらず、何度もアンコールが続きました。
劇場の前で記念写真を撮っているグループが何組もありましたが、イギリス国内や僕のような海外からの観光客のようでした。
帰路につく流れに身を任せて歩いていると、反対側から親子連れの流れが向かってきます。ひとつ離れた劇場からの帰り客の群れです。看板を観たら「ライオン・キング」でした。時計を観たら22時を回っていました。
ウエストエンドの各劇場から吐き出された観客で混雑はまだまだ続くようです。そういえば、舞台に出演していた男の子もこの時間まで働いていたんだなあ。そういうところも日本では考えられない。この夜はロンドンっ子のように、パブで思いっきりグラスを重ねました!
2011.10.05
カテゴリー:ウエストエンド紀行
■■僕の人格を形成したもの■■
物心つく頃 神社の境内で祭りの時にやってきたドサ回り劇団のチャンバラ芝居
■■小学生時代■■
『ゴジラ』シリーズ
■■中学生時代■■
『小さな恋のメロディ』『ゴッドファーザー』
■■高校生時代■■
『仁義なき戦い』『サンダカン八番娼館』
■■大学生時代■■
年間に観た200本の映画
『子午線の祀り』は演劇体験の原点
『ブロードウェイミュージカル ウィズ』でミュージカル初体験
映画の道に進むつもりが子どもたちに演劇や音楽を見せる仕事に歌舞伎・文楽・能・狂言・落語といった古典芸能から人形劇・バレエ・ジャズ・オーケストラまで、あらゆるジャンルの舞台芸術を子どもたちに届ける もはや演劇のない生活は考えられません
でも演劇に触れたことがない人のほうが多いのが現実 はてさて、その魅力をどう伝えようか
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