現在公演中のミュージカル『キャッツ』が好評の劇団四季。福岡のミュージカルのファンを増やし、福岡シティ劇場のオープンとともにミュージカルシーンを彩ってきた歴史を持ちます。福岡シティ劇場は2010年に、常設劇場としての役割を終え、現在は「キャナルシティ劇場」として、新たな歩みを始めています。
ファンに惜しまれながら、「専用劇場としての使用を休止」した劇団四季も、毎年、キャナルシティ劇場でのミュージカル公演を続けています。
劇団四季の竹田さんに、福岡での劇団四季のこれまでとこれからをお聞きしました。
1990年。福岡初のロングラン公演で福岡にミュージカル旋風!
水上 竹田さんは、四季に入る前からこの仕事をしていらしゃったんですか?
竹田 僕は福岡の出身なんですが、小学6年生の時に福岡市民会館でニッセイ名作劇場『夢から覚めた夢』を観たんです。作品の世界にすごく引き込まれました。その後、中学1年でももち浜の『キャッツ』を観たんです。
(1990年、シーサイドのももち浜にテント式の仮設劇場を造り、当時福岡では数回の公演が限界と言われたなか、その常識を打ち破り、23万5千人を動員するなど、大きな成果を収めました。)
そこで衝撃を受けて、『キャッツ』と『夢から覚めた夢』をやっているところが劇団四季だということを知り、「四季に入りたい」と。高校の時にキャナルの構想が決まっていて、大学卒業後すぐ四季に入りました。入社の時は福岡シティ劇場で『キャッツ』の千秋楽間際です。入って16年目になります。
水上 キャッツの歴史と符合するように
竹田 生きてきました(笑)
水上 現在のキャッツ、好評ですね。
竹田 15万の席を用意していますが、うち9割の席が販売済です。福岡の方にとっても、『キャッツ』は影響が大きいといいますか、自分のような体験をした方が、いろんなところにいらっしゃるんだなあと感じます。
水上 1990年のももち浜での『キャッツ』公演は、一気にミュージカルファンを増やした「事件」でした。1999年に常設劇場での『キャッツ』があり、今回14年ぶりの公演です。客層も広がっているのでは?
竹田 ももち浜の頃に青春を謳歌されていたお客さんが、50代60代になり、子どもさんとかお孫さんとか、3世代でお越しになっています。誘う発信源はどこなのかはわかりませんが、観て頂くとミュージカルにすごく興味を持ってもらえる作品だと思います。
『キャッツ』は30年やっていますから、世代を超えて観に来てもらえる。その分、常に新しさを出していかないといけない。
どうしてもやりたかった『キャッツ』
竹田 今回の公演の責任者として3年ぶりに福岡に来て、街の人にあいさつに回って、『キャッツ』を持ってこないとダメなんじゃないか、との思いを強く持ちました。
キャナルシティ劇場のキャパシティは1144席ですが、『キャッツ』の演出を他の劇場と同じように体験いただくべく舞台装置を組み込んだ結果、950席まで減りました。そのために、できるだけコストをカットして目標の数字を出しました。どうしても『キャッツ』をやりたかったんです。
水上 竹田さんが、『キャッツ』を引っ張ってきたというわけですか?
竹田 僕だけじゃないです。福岡に携わっていた人間が劇団内にたくさんいて、『キャッツ』を持ってきたい、という声も大きかったです。劇団内で「ドーンと行こう。人の気持ちを揺らさないとどんな動きも出てこないよね。」と話し合いました。僕の個人的な思いももちろんありました。ももち浜で出会った作品を福岡に戻ってくるタイミングで、やれるんだったらやってみたい。企業の方の反応も大きく変わると感じました。
水上 それが当たったわけですね。
竹田 いいタイミングだったんじゃないかと思います。
新幹線には驚きました、熊本や鹿児島からのお客さまも来て頂きやすくなっているという実感があります。『ウィキッド』の時にも新幹線は開通していましたが、3年経って馴染んできた。人の動きが違うなと感じます。夏休みに県外からも来ていただけると思っています。
(続く)
2014.07.03
カテゴリー:劇ナビインタビュー
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映画の道に進むつもりが子どもたちに演劇や音楽を見せる仕事に歌舞伎・文楽・能・狂言・落語といった古典芸能から人形劇・バレエ・ジャズ・オーケストラまで、あらゆるジャンルの舞台芸術を子どもたちに届ける もはや演劇のない生活は考えられません
でも演劇に触れたことがない人のほうが多いのが現実 はてさて、その魅力をどう伝えようか
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