劇ナビFUKUOKA(福岡)

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劇ナビインタビュー No2 博多座 演劇本部長 佐藤 慎二さん その4

演劇の持つ一体感から覚醒するもの

 2014-04-09 佐藤3 (2).jpg

佐藤 東京や名古屋で劇場が閉館したけれど、それでも斜陽産業ではない。ライブ感は必要だと思う。Jリーグができるとき、プロ野球はなくなるっていう話があったじゃないですか。でもプロ野球はなくならないし。DVDが出た時に映画は終わるって言われ、でも映画は終わらない。新聞だって、テレビができたら終わるって。でも新聞の記事を朝の番組で紹介しています。

演劇も形は変われ、ライブはなくならない。生で感じ得ることは大事なことだから。

劇場の運営は、いろんなやり方がある。北九州芸術劇場みたいに自治体がやるか、うちみたいに半官半民がやるか。あるいは、東宝・松竹みたいに民間がやるのか。それは方法論であって、演劇って人が人である限りなくならないと思います。舞台は一期一会で、毎日やっていることは変わるから面白い。毎日観たいっていう人もいる。舞台を観て涙を流す人もいるし、元気になる人もいるんです。

 

水上 これからの博多座の構想を聞かせてください。

 

佐藤 劇場としてというより、僕個人の意見でいいですか? 

演劇劇場として15年間やってきました。博多だけでなく、九州の人に見てもらうのに、巡業ツアーもしていきたい。とにかく、舞台が面白くて、元気になってもらえたらいい。博多って名前がついてるから博多だけじゃなくて、広島だろうが山口だろうが、みんなが幸せになれば、ということです。方法ではなく、もっと大局的なもので、

まだまだ見たことない人がいっぱいいますから。

食わず嫌いの人に、まずは一回見て欲しい。面白くなかったら、どうやったら面白がってくれるのか、ということを考える。のが、ぼくらの仕事だから。面白くなかった人に来てもらわなくていいとは考えません。どうしたら、来てくれるのか。家の隣まで持ってきたら見てくれるのか。方法をイメージして、バランスを取ってやってみる。それが楽しいんです。

 

佐藤 カーテンコールって、こちらが頼んでしているわけじゃないです。お客さんが、もう一度役者の顔が見たくて拍手するんですから、スタンディングしたりね。そうすると、役者も階段おりて何かやろう、ってなりますよ。一体感です。いかに舞台と観客が一体になるか、それがどんなに感動するか。

「生きてて楽しかった」、「あの時はよかったね」、って家族と話せるのがいいのかな。

「体験する場」が博多座で、そこでどう覚醒するかは、人それぞれ、いろんな可能性があると思います。

 

 

「劇場は人なり」。インタビューを終わってそんな印象を受けました。佐藤さんがいたことで、博多座が動き出した様子がよくわかりました。欠かせない存在だったんですね。また、商業劇場として大きな責任を感じつつ、次に向かってチャレンジしている様子が伝わってきました。演劇という媒体を利用しつつ、いかに都市がブランドを創っていくか。そして演劇を通していかに人生を豊かにしていくか。まだまだ、挑戦は続いていきそうです。

佐藤さん、博多座の自主制作がビジネスとして成功していく軌跡を見守っていますよ。

 

 ※このインタビューの校正中に、2015年3月に、『めんたいぴりりー博多座版ー』の制作発表のニュースが飛び込んできました。

戦後の復興期の福岡を舞台に、明太子を作った夫婦と、明るく力強く生きた博多っ子たちを描く、笑いあり、涙ありの博多の人間ドラマ。

福岡の名産の代名詞「辛子明太子」を日本で初めて生み出した「ふくや」の河原氏をモチーフにしたTNCテレビ西日本の番組を、新たに舞台化するということです。

全国に愛好者が広がった明太子のように、福岡から全国に発信できる作品が生まれることを期待しています。

 

取材:水上徹也(シアターネットプロジェクト代表)

2014.06.23

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でも演劇に触れたことがない人のほうが多いのが現実 はてさて、その魅力をどう伝えようか

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