今、福岡で勢いのある劇団といえば、この『万能グローブ ガラパゴスダイナモス』だろう。
この夏には、『ガラ博』と名付けるイベントを開催。福岡で活躍する演劇人も参加して、実験的な作品を上演するという快挙を軽々とやってのけた。
満を持しての1年半ぶりの本公演。演目は、作・演出の川口大樹の得意とするスラップスティック・コメディ。期待して会場に駆け付けた。
(10月31日ぽんプラザ)
寂れた町の町おこしをたくらむグループが、テレビで取り上げてもらおうと、ツテを使って呼んだTV局のディレクターを待っている。
どんな話をでっち上げようか話し合っているところに、突然ディレクターがやってくる。しかも二人も!
えっ?来るのは明後日じゃなかった?どうして情報が漏れているの?
そこへ、西海岸帰りの元演劇部の先輩が現れ、公演が迫ってあせりまくりの現役演劇部が乱入、すきを見て恋の告白をする奴や、ビンテージのジーンズを選択してしまう霊能者、おまけにこの屋敷にはある秘密が隠されているという。
新しい登場人物が突然現れるたびに話が変わっていく、テンポとノリの良さ。 ズレてる会話に、合わない呼吸。
スラップスティックな要素が満載で、一気にラストまで突っ走る。 と思いきや、、、、。二重、三重に張られたどんでん返しが待っている。
この劇団の魅力は、「なんでもやってしまうこと」 だろう。 役者が少しでも迷ったり悩んだりしているとテンポが生まれない。
僕らオジサンから見たら若い! 若さが弾けてる。 コメディセンスも良い。 ホンもよく書けている。 あと足りないものは何だろう?
強いて言えばテーマ、ということか。
「裏切り者」の「裏切り」って、誰を誰が裏切ったの?って突きつけている。
この世の中、裏切られてばっかりだ。 信じられるのは自分だけ? あれ、自分が信じていたのは何だっけ?
笑いの中に、地下水のように横たわっているものを、焙り出してほしい。
それだけの力は、この劇団にはある。
ラストシーンを見て、そう感じた。
舞台初日で、これからどう変わっていくのか、楽しみだ。
えっ?裏切り者は誰かって?
11月11日まで公演中なので、会場へぜひ。
なんと、大阪・宮崎公演もあるので、11月25日まで上演中。
2012.11.05
カテゴリー:エンタメ
■■僕の人格を形成したもの■■
物心つく頃 神社の境内で祭りの時にやってきたドサ回り劇団のチャンバラ芝居
■■小学生時代■■
『ゴジラ』シリーズ
■■中学生時代■■
『小さな恋のメロディ』『ゴッドファーザー』
■■高校生時代■■
『仁義なき戦い』『サンダカン八番娼館』
■■大学生時代■■
年間に観た200本の映画
『子午線の祀り』は演劇体験の原点
『ブロードウェイミュージカル ウィズ』でミュージカル初体験
映画の道に進むつもりが子どもたちに演劇や音楽を見せる仕事に歌舞伎・文楽・能・狂言・落語といった古典芸能から人形劇・バレエ・ジャズ・オーケストラまで、あらゆるジャンルの舞台芸術を子どもたちに届ける もはや演劇のない生活は考えられません
でも演劇に触れたことがない人のほうが多いのが現実 はてさて、その魅力をどう伝えようか
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