博多活弁パラダイス番外編「片岡一郎、夢声を読む 」〜徳川夢声の短編小説「連鎖反応 ヒロシマ・ユモレスク」を片岡弁士が朗読〜
撮影:安達英利
8月12日(金)19時開演
会場 ブックスキューブリック箱崎店
木戸銭 予約2500円(当日3000円)※ワンドリンク付き
活動写真弁士・片岡一郎さん(44)による徳川夢声の短編小説の朗読会「片岡一郎、夢声を読む」を開催いたします。今回は朗読がメインの会です。「話芸の神様」と呼ばれた夢声ですが、文筆活動もしており、今回はその中でも異色の原爆小説「連鎖反応」を朗読いただきます。77年前の広島に思いを寄せる夜です。
※朗読の前には、ご挨拶代わりに短い活弁の実演(伊丹万作監督、片岡千恵蔵主演の「国士無双」)もやっていただきます。
原爆に遭った主人公が様々な幻惑を覚えながら広島を歩く、ただそれだけの話ではある。
物語に大きな起伏は無い。一瞬で目の前の景色も知人も失ってしまった現状が上手く理解できない人間がそこにあるばかりだ。
ユーモアを尊んだ無声は声高に原爆を非難するのではなく、原爆投下直後の広島をまるで紀行文の如く描いてゆく。何事も無いような文章がむしろ虚無の色合いを強める。夢声は原爆投下直後の広島を見ていない。入念な調査と長年培ってきた語りの技術で執念の様にしてヒロシマを幻視する。
今回、朗読いただく徳川夢声の短編小説「連鎖反応 ヒロシマ・ユモレスク」について、活動写真弁士の片岡一郎さんが書いた文章の一節です。夢声は、年下の親友を原爆で喪い、この小説を書いたと言われます。声高に反戦や反核を叫ぶわけではなく、非常にアイロニカルな作品ですが、それだけに、そこから何を感じ取るかは、読み手に委ねられています。片岡さんの声を通して私たちに届く夢声が描き出した広島はどんな姿をしているのでしょうか。
片岡さんはこの「連鎖反応」を<結果として夢声文学におけるある種の到達点を示す作品となった>と評しています(ちなみに夢声も元活動写真弁士です)。
※片岡さんの文章の全文はこちらのリンクからお読みいただけます→https://shimirubon.jp/columns/1684520
会の概要は、ブックスキューブリックさんのHPをご参照ください
http://bookskubrick.jp/event/8-12
活弁時代の徳川夢声
19時開演で、最初に片岡さんのご挨拶、そして、映画「国士無双」(1932年)を片岡さんの活弁付きで上映(「国士無双」は何度かリメイクされていますが、これは片岡知恵蔵主演の1932年版)。
本来は1時間超ある作品ですが、長らくフィルムが散逸しており、現存する中では最長となる24分版を上映。途中、フィルムが抜けている場面こそは、弁士の腕の見せどころ。往年の名作をお楽しみください。
活弁の後、短い休憩の後、この日のメインの朗読。朗読は約1時間、全体で約1時間強の予定です。
2022.08.12
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