劇ナビFUKUOKA(福岡)

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北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ「イエ系」製作発表

北九州芸術劇場は開館した2003年8月以来、劇場創造事業として81作品を制作してきました。81作目となる今回の作品は、2018年からスタートした「クリエイション・シリーズ」の2作目でもあります。

クリエイション・シリーズは、アーティストと2年間タッグを組み、北九州で創作の種を育み、作品を創作する事業。

今回の作・演出の松井周さんにお話を伺いました。

 

Q.オファーを受けた時の印象はどうでしたか。

 

一昨年にオファーを受けました。嬉しかったです。

北九州芸術劇場では2010年に『ハコブネ』の作・演出、2012年に『ジョン・シルバー』を演出しまして、そのときが、すごく楽しかったんです。ここで滞在しながら、いろいろな物を感じながら創るというのをもう一度やってみたくて、今回のオファーを受けました。

 

Q.2年間という期間についてはどうですか。

 

太っ腹ですよね。こういう作品は、1ヶ月くらいに区切られていることが多いですから。

2022年4月に『家族・人』という視点で、10件ほど(※)取材させていただきました。

取材させていただいた内容を反芻、租借しながら作品に落としていく作業ができたのはすごく嬉しいです。

 

※ひとり親の課題に取り組む団体や、子ども食堂、魅力的な家族経営の店など。

※2022年9月には、地域の方に向けたワークショップが行われています。

 

Q.取材で印象に残っていることはありますか。

 

シャイな方が多い印象です。それがとても良かった。

お菓子を作って、移動販売している家族は、それが自分たちにとって一番やりやすい形でしかも楽しんで過ごしている。

ラーメン屋もそうです。特にこれを誇っているということではなくて、仕事と生活が一緒になっている感じを味わせて頂きました。

自分がやっている演劇は生活になじんだものであるのかと考えさせられました。

「家族」というテーマが自分の中にずっとあったのですが、SOS子どもの村JAPAN(家族で問題が起きた時、避難できる施設)で血のつながっていない場所でも家族というつながりを作ることでうまくいくことがあると知り、僕が考えている疑似家族というのをちゃんとやってみようと思った引き金になりました。

 

Q.なぜ今回「家族」をテーマに考えられたのでしょうか。

 

ずっと持っているテーマの一つが家族です。

いままで家族というものに反発心というか、家族や血のつながりが人を拘束してしまう、縛ってしまうものと思ってきた。そこから離れていくことをことほぎたいじゃないけど、そういう自由ってあるよなと。

一方で、個人がSNSを使うようになり、ひとりひとりが世界に晒されている状況がリアルに起きています。

何かを間違えると徹底的にさらされる、個人情報や態度、過去などが完膚なきまでにたたかれてしまう。

その時、個人として自立する方向もあるかもしれませんが、コミューンというか、最小の共同体として家族がうまく機能すればもう少し生きやすくなるのではないかと考えました。

疑似家族というのは、家族の擬態だと思っています。

動物の擬態みたいに天敵から身を守ったりする、すごくいい防御方法だと思うので、人間がそういうものを選んでいくことができたらもう少し生きやすくなるのではないかと思います。

家族なら、友達よりもうちょっと近い感じで関われます。

日本には季節ごとの行事があって、その擬態で家族っぽいことをしていくと、生きていく目標ができるのではないか。

そこにラーメン屋やクレープ屋のような事業があればもっと何か起きていくのかと考えています。

 

Q.「イエ系」というタイトルの由来は何でしょうか。

 

ラーメン屋の話だから「イエ系」にしています。「家系」は神奈川県横浜を発祥とするジャンルのラーメン屋なんですが、そこを含みつつ、生存戦略としての「イエ」っていうものを身に付けた人たち、生態系の中で「イエ系」というものがある、というイメージです。

 

Q.キャストはゲスト2名、オーディション選出10名の全12名。印象はどうでしたか。

 

いい意味で変な人たちです。「何を考えているか知りたくてしょうがなくなった人たち」と一緒にやっています。

オーディションの物凄い緊張のなか、なんていうか我関せずというか、自分の思っている、あるいは僕がディレクションしたことに対してどんどん変えたり楽しんだりする方達。それも自分なりのやり方で。

練習の時間は演技というより、シミュレーションの時間ですね。実験に近いことをやっています。

その実験を見に来て欲しい、楽しんで欲しいという気持ちがあり、

創作の中で実験を楽しんでくれそうな人たちを選びました。

 

「イエ系」あらすじ

家族という共同体をつくることで様々な優遇措置が与えられる”再家族制度”が制定された北九州。ばらばらの単身者たちが疑似家族として認定を目指しトレーニングを受けているところに、ある日ほんとうの肉親が訪れ「自分たちは捨てられた」と訴えてきて…。
「家族」という関係は何を隠し、何をさらしてしまうのか?疑似家族だからこその「家族」への願いを描きます。

 

『イエ系』は北九州芸術劇場で10月26日(木)~29日(日)まで、

東京芸術劇場シアターイーストで11月4日(土)~11月5日(日)まで公演されます。

チケットは一般3,000円、ユース2,500円(25歳以下、要身分証明書)、ティーンズ1,000円(13~19歳、要身分証明書、枚数限定)。

 

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『立川志の輔・立川生志 兄弟会』博多座でまもなくチケット発売開始!

博多座で、冬の風物詩となった『立川志の輔・立川生志 兄弟会』が開催されます。

志の輔師匠と生志師匠の兄弟会が見られるのは博多座だけとあって、

毎年発売後すぐ完売してしまうこの公演。

生志師匠に魅力をお伺いしたところ、

見どころの一つは、打合せなしで繰り広げられる志の輔・生志両名による「口上」とのこと。

師匠談志と生志の親子会として始まったこの会、今回は談志の十三回忌にもあたる大切な会。

節目を大切にするお二人だからこそ師匠のお話をされるのか、はたまた、別の話題になるかは未定だそうです。

もちろん落語もたっぷりお楽しみいただけます。

この兄弟会はそれぞれ50分の長講を一席ずつ、

じっくり演じられるのが特徴で、トリが毎年変わります。

今年のトリは志の輔師匠です。

それぞれが話す内容は事前に打ち合わせするものの、

当日のお客様に合わせて変えることもあるのだとか。

どんな話が飛び出すか、当日までわかりません。

 

公演は12月7日(木)16:00開演で、A席6,000円、B席4,500円です。

チケットの発売は10月28日(土)午前10時から。

年に一度の兄弟会をお見逃しなく!

 

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立川志の輔・立川生志兄弟会

キビるフェス 開催決定!

2024年、今回で8回目となるキビるフェスが開催されます。

キビるフェスは演劇作品を全国から招聘し、上演するイベント。

2017年にスタートし、2022年にはコロナウイルス感染拡大の影響により縮小を余儀なくされましたが、2023年開催からはコンセプトをリニューアル。作品上演にとどまらない多様なプログラムで開催されています。

会場は福岡市内にある4つの音楽・演劇練習場で、それぞれの指定管理者が運営にも深くかかわっています。

 

【上演プログラム】

・ひなた旅行舎(東京・宮崎) 2月2日(金)~4日(日)

 会場:塩原音楽・演劇練習場

・melomys(東京・福岡) 2月9日(金)~11日(日)

 会場:パピオビールーム(千代)

・第21回AAF戯曲賞受賞公演(愛知) 2月16日(金)・17日(土)

 会場:なみきスクエア(千早)

 

【ワークショッププログラム】

・さんぴんの演劇創作ワークショップ 2月3日(土)・4日(日)

 会場:ぽんプラザホール(祇園)

・映像演劇ワークショップ 2月5日(月)・6日(火)

 会場:ぽんプラザホール(祇園)

 

詳細・続報をお楽しみに!

 

キビるフェス ホームページ

https://kibirufes-fuk.localinfo.jp/

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