六月博多座大歌舞伎が大好評上演中です。
5月31日には公演に先立って出演俳優がご当地到着をお披露目する「船乗り込み」が行われ、博多川の川岸に多くの見物客が集まりました。
中村雀右衛門、中村鴈治郎、尾上菊之助、片岡愛之助ほか14人の出演者が8隻の船に乗り込み、博多川の清流公園からリバレイン フェスタ・スクエア前までを川下りしました。
博多座の船乗り込みは平成11年(1999年)に始まり、今年で22回目。コロナ禍の影響で令和2年~令和4年は中止を余儀なくされ、4年ぶりの復活となりました。
また、船乗り込みの後には博多座で式典が開催され、出演者が意気込みを語りました。
中村雀右衛門さん
「5年ぶりに船乗り込みがあり、多くの方にご声援いただきましたことを本当にうれしくありがたいと思っております。この度は昼の部におきまして『廓三番叟(くるわさんばそう)』で傾城を勤めさせていただきます。また二つ目の、『人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)』では長兵衛女房お兼、そして夜の部の『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』では徳兵衛女房お辰を勤めさせていただきます。両方とも女房役ですが、二つとも菊之助さんの女房役をさせていただきます。年の差はございますがツレに似合うよう精一杯勤めたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします」
中村鴈治郎さん
「4年ぶりの博多です。やっと来れました。うれしゅうございます。今日は何よりも本当に大勢の方がいらっしゃって、待っていてくださったんだなという事を感じました。とてもワクワクしました。今回わたくしは昼の部はすっぱの九郎兵衛を演じます。腹の中まで真っ黒黒くろ……悪人でございます。それと夜の部は釣船三婦という侠客の男たちに慕われている親父気質の男をやらせて頂いております。皆様楽しんでいただければと思っております。ぜひとも皆様、一人でも多くの方に声をかけて頂いて、見た後に皆様をまた誘っていただいて、どんどん輪を広げていただいて、この博多座の公演が満員で終わりますようによろしくお願い致します。」
尾上菊之助さん
「今年は4役ともすべて初役の役を勤めさせていただきます。初役と申しますといろいろと不慣れなことや緊張もあります。『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』では愛之助さんと久しぶりに舞台をご一緒させて頂きますのでそれをすごく楽しみにしています。ほかの演目は全て私の高祖父でありましたり私の曾祖父が創作したもの、得意としたものを勤めさせていただきます。毎年博多に来させていただいていましたが、船乗り込みのないことを寂しく思っておりました。今日は快晴になり、関係者の皆様に大変応援していただきましたので、(初役を)挑戦して関係者の皆様にご納得いただけるよう、一生懸命勤めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」
片岡愛之助さん
「今日の船乗り込み、雨が降ると思っていたら晴れて、こんなに嬉しいことはございません。そして沿道にいらっしゃったたくさんの方々に、ぜひ見に来ていただきたいと思います。今回3役勤めさせていただきます。菊之助さんとは久々の共演でございます。鴈治郎お兄さんがおっしゃっていた真っ黒黒の九郎兵衛に刀を取られそうになるのはわたくしでございます。わたくしは正直な田舎者を勤めさせていただきます。そして夜の部では団七九郎兵衛。体中に絵の入ったような任侠ものです。まったく毛色が違う役を勤めさせていただきます。博多では7月、山笠というお祭りがございます。今月は、大阪の夏祭りを一足先に楽しんでいただければと思っております。お昼見て頂いた方はぜひ夜も。夜を見て頂いた方はぜひお昼も見て頂きたいです。よろしくお願いいたします。」
六月博多座大歌舞伎の公演期間は19日(月)まで。
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