先日、福岡県古賀市、リーパスプラザで『舞姫の古賀絵巻』を見てきました。
演じたのは市民劇団DAICOON、古賀市在住の市民が中心の市民劇団です。
まず 何が驚きだったかというと DAICOONが、古賀市に住む山本さんという 一人の女性(言葉悪いですが、おばちゃん)の 「古賀市に市民劇団が欲しい。」という情熱から出発した劇団だったということでした。
『舞姫の古賀絵巻』、ふくおか県民文化祭のGUIDEBOOKにも載っていますので、たった一人の女性の思いが、今では 行政イベントの一環となっているという事なのです。
市民劇団なので、劇団員の年齢は様々です。下は小学校から、上は おじいちゃんと言われるような年齢です。
その様々な年齢の方々が舞台の上で生き生きと演じるのを昨日一日見てきたのです。
--------「童の時は、語ることも童のごとく、思うことも童のごとく、論ずることも童のごとく也しが、人となりては、童のことを捨てたり。」(GHOST IN THE SHELL)----------------------
福岡市の城南区に油山という山があります。
市内にしては、そこそこの高さの山で、車で展望台までいく事ができますしキャンプ施設を始め牧場なんかもあるので、市民の憩いの場であり、デートスポットでもあります。
僕は その油山の麓で生まれ育ちました。
学生の頃、市民劇団に参加した事があります。その名を「油山一座」といいました。
DICOON同様、年齢様々で、練習に時には小学生は暴れる、大人には気を使う(まあ、その歳での気のつかいようなんて、たかがしれてますが・・・。)で、大変だったのです。
脚本を一緒に書いていたある女性は、作成段階で離脱してしまいました。
ある小学生は、練習の休憩中に電柱から落下しました。
ある女の子は、38度の熱のある中、本番の舞台に立ち続けました。
本番終了後はみんな、泣いていました。
うまれ育った「油山」を題材とした『油山一座』、それにまつわる演目と幅広い年齢層の地元の人達で作る お芝居の日々は、それはそれは 苦しくも幸せな時間だったのです。
----- 「その服の左ポケットに車のキーが入ってる。好きなのを使え。暗証番号は・・・。」
「2501。 それいつか、再会する時の合言葉にしましょう。」(GHOST IN THE SHELL)-----
先日、友達の結婚式の2次会でのこと、20歳くらいの女性に声をかけられました。
僕も結構な歳なので、そのくらいの女性に声をかけられる覚えも謂れもないのです。
「これが、かの有名な逆ナン?」
てな感じでテンパっていたところ、その女性は、
「私、油山一座に参加していたんです。」と僕に告げました。
逆算すれば、当時その子は小学校低学年な訳で、役柄は憶えてても当時の顔までは憶えていないのです。
テンパる僕を尻目に 彼女は 油山一座の思い出を語り続けました。
普段は、考えた事もありませんでしたが、なんだか時間の経過を残酷だと思いました。若さもあるでしょうが、輝く彼女を見て、生まれて初めて「老いた。」と感じたのです。
でも 時間の経過を残酷だと思えば思うほど、やっぱり彼女のおかげで、ここ数年 思い出した事なかった油山一座の思い出が一層いとおしく感じたのです。
----------「国破山河在・城春草木深」(春望・杜甫)--------
~DAICOONの「舞姫の古賀絵巻」は、古賀市鹿部山で出土した「経筒(経塚)」にまつわるお話です。~
時の経て、地域の信仰の対象であった経筒。
経筒を中心に時が交錯する。
戦国時代の舞姫と現代のまい。
時を超えて二人が出会う。
姫であるが故の悩みと現代社会で生きているが故の悩み。
二人はお互いの悩み、思いをぶつけあう。そして・・・。
本番終了後、2週間経ったくらいでしょうか。
打ち上げに出てきました。
DAICOONのメンバーも、どうやら入れ替わりがあるようです。
挨拶の時に皆、語りました。
小中学生は、「主役にしてください!!!」と冗談混じりにでも熱く語りました。
高校生は、東京の大学で演劇を勉強すると語りました。
大人のある女性は、「仕事が忙しくなって、今回でDAICOONを卒業します!!!」と涙を流しながら、でも元気いっぱいに宣言しました。
代表でもある 高齢の男性は、「古賀市は、何もないところです。福岡と北九州市の間でも、古賀市に入ると国道さえ暗くなってしまう。でもDAICOONがあるんです。・・・」とやっぱり涙ながらに語りました。
DAICOON、来年も楽しみにしています。
「これはとって置きますよ。きっとそのうち必要になるでしょうから。」~あしたのおてんき、ぽんつん~
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