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AMCFプロデュース非・売れ線系ビーナス第14回公演「踊りに行かないで」稽古場訪問【2】
【2010年10月14日】

 

 

公演も迫ってきた非・売れ線系ビーナス「踊りに行かないで」

今回はその脚本家で作品に出演もしている田坂哲郎さん、演出の木村佳南子さんにお話しを伺いました。

 

稽古場訪問記【1】はこちらから

 

 

 

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-まずは初の東京公演への意気込みをお願いします。

 

田坂:東京に行く事で何か特別に変えているつもりはないです。福岡が基盤でやっている劇団ってところではあるので、福岡で作っている良いものを東京にも持っていこういう気持ちは忘れずにいたいなと思っています。福岡だと、観てくれる人も増えていくにしろ、「“非・売れ線系ビーナス”ってこういうことがやりたい」っていう前情報があるうえで、観てるって方も多いと思うんです。東京だと、そういうこともなく、全く自分たちを知らない人たちに見られる。これは作品としても、劇団としても鍛えられる部分があるんじゃないかなと期待しています。

 

 

-今回、木村さんが演出・田坂さんが脚本と分けた理由を教えて頂けますか?

 

 田坂 :ひとつは責任の所存をはっきりさせたかったところがあって。僕がずっとやってきた時間が長かったので、“非・売れ線系ビーナス”の演出は田坂ってイメージがあると思うんですが、中では最初のころからずっと木村と共同でやってきた部分があって。最近は演出における木村の位置も比重があがっていったのもあったので。だったら木村に任せて、書くことと、演じることにちょっと集中したいなという思いがありました。

 

 

 

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―木村さんは演出を任されていかがですか?

 

木村:任された瞬間、本が難しくなったなっていうのが一番です()。今までは表側に名前を出していたのも田坂って形でやっていて、昨年ぐらいから連名にして。連名にした頃から「ん?」って思うようなト書きはあったんですけど…()。今回、完全に住み分けをしてしまった瞬間「これはどういうことなんだろう?」っていうト書きがいっぱいありますね。今までは自分が演出することを根底において、脚本を書いていたんだなっていうのがわかりました。ある意味そこで制約が出てたと思うんです、田坂自身に。演出のことも考えて書かなきゃいけないという、道を狭めてたのかなというのが思いがあって。今回は、最初に「どう演出するかは考えずに好き勝って書いた!」っていって10ページぐらい持ってきたので…()自由度が高いです。

 

 

―劇団としても幅が広がった感じでしょうか?

 

木村:そうですね!

 

 

 

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-今回のチラシは今までとイメージが変わったような気がするのですが…何か反応はありますか?

 

田坂:賛否両論あるのはあるんですけど、面白がってくれてる人が多い印象はありますね。

 

木村:「今までの売れ線(非・売れ線系ビーナス)と変えましたね」って結構言わるんです。でも、田坂もだと思うんですけど変えたっていう気は実はそんなに気はしていないんです。

 

田坂:もともと絵を描いてくれた漫画家の横山裕二さんと、木村で打ち合わせの元に書いてもらってるので、丸々投げたって感じではなく、売れ線の意思が反映されたチラシにはなっていると思います。

 

木村:たまたま、今回は書き手が違ったので、「画風が違うからそういわれるのかな?」という感じです。逆に、そう言われることが、結構意外ですね。

 

 

-ドラマドクターとして羊屋白玉さんがつかれている事で変化はありそうですか?

 

木村:ワークショップでご一緒した時に、白玉さんがしている事と、うちがしていることは見せ方は全然違うんですけど、意外に合っているんじゃないかなと思いました。田坂も“女性ってどういう生き物なんだろう”って本で書くし、今回の本も女性に振り回されている男の子の話なので。

 

 

-今回のタイトル「踊りに行かないで」のいきさつを教えてください。      

 

田坂:「踊りに行くぜ」のプレイベントをたまたま見て、そのときのダンスが僕にはよくわからなかったんですね。「何を表現したいのか」とか…。でも、それを裏返した時に、自分たちがやっている芝居ってもこういう風に見られるんだろうなって思って。「何をやっているかわからない」って言われることもあるし、そう見られることもあるんだろうなって思ったんです。その時に、「この人たち何やってるかわかんないな」ってこと思ってる人を“やっている側の人間”はわりとないがしろにしてきているんではないかって思ったんですよ。お芝居でもはじめその事に興味がなかった人が、だんだんそれに目覚めていくストーリーってすごく沢山あるじゃないですか。例えば、僕は生涯、野球は興味ないと思うんです()でも、野球を通じて開花されてくみたいな話ってあるじゃないですか。だけど、生涯「野球って何がおもしろいかわかんない」っていう子もいるはずだって。それって演劇もそうだし、ダンスもそうだろうと思ったときに「踊りに行くぜ」って言ってる人たちの裏側に「踊りに行かないで」って言ってる人がいるんだって思ってこのタイトルになりました。

 

 

―タイトル先行で話を書かれるんですか?

 

田坂:完全にタイトル先行ですね。「踊りに行かないで」ってタイトルにするって木村にも電話かメールかして。

 

木村:はい。

 

田坂:その時には何も決まってなくて、オードリーってキャラクターもなくて。「踊りに行かないで」って言う人の話を書きたかっただけです。

 

木村:ものを書き始める最初ってほとんど何言ってるかわからないんです()

 

田坂:えぇ?()

 

木村:「“踊りに行かないで”にするから!」って「傘壊してたけど、わかんなかったんだよねー」って言っていて。あぁ何かに憤慨するか、何かに疑問を持ったから本を書くんだろうなーって思いました。面白い出来事があったとかから作ることもあるんですが、それは私が言ったりすることが多いですね。

 

 

 

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-今回ダンサーさんが参加されることによって新しい風、変化は見られていますか?

 

木村:絶対に違うのは、真吉さんが言われてたんですけど、「ダンサーは自分の内側から対象にむかって考えていくけど、演劇をしている人は俯瞰したとこからものを見ていて作っていくっていう全く逆のとこから向かっていってるね」って。本当にその通りだなって思いました。真吉さんから「これどういうことなの?」って質問されたら、一瞬結構ドキってするようなことが多いです。「あ、そういうとこから疑問に思うんだって」結構、役者からは飛んでこない質問がきますね。

 

 

-それによって新たな発見があったりも?

 

木村:そうですね。私も役者をやったりしていたので、「あ、そこからは私あんまり考えてなかったな」って思うことが多いので助かっています。

 

 

-田坂さんは今回、脚本と役者ですが、完全に演出から離れてみていかがですか?

 

田坂:思った以上に自分が書いた脚本を客観視できるものだなと思っています。ずっと自分が書いた本を演出して、自分も出てって作業をしてきた結果だと思うんですけど。自分がどんな気持ちで脚本を書いたっていうか役者としての何かを制限するとか妨げるような思い入れって全然ないんです。木村から新たな解釈がでてくるのも面白いし。素直に楽しめているので、自分が書いてはいますけど、「ここはこういう風にやって欲しい」っていうのはないですね。ノンストレスです。

 

 

 

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-最後にこの作品の見所や観て欲しい箇所を教えて下さい。

 

田坂:アートっぽさみたいなもの、例えば現代音楽とか現代美術とかこれから淘汰されていくものに対して疑問を感じてる人には見て欲しいかな。そういう話だっていうのもあるんですけど、玉石混合ということが一番行われている時代だと思うんですよ。そんな、中でなんとなく違和感を感じてるというか、「いいの?これよくわかんないけど…」「でも、よくわかんないっていったら恥ずかしい」と思ってる人たちにエールを送りたい作品です()

 

木村:ほんの5,6年前までは「人っておねおねしててもいいよね」みたいな空気が若い人の中にはあったと私は思うんです。でも、最近はあまりに不景気だし若い子が凄いしっかりしてるなって。しっかりすることに対して、必要に迫られている感じがするんです。それは生活においてもだし、人間関係においてもだし。でも、「100わかりなさい」って言われたってどうやったって100はわからないんですよね。オードリーという踊りにいく女性に振り回されカイダくんって男性。この2人は恋人同士ではありますけど、一生この点に関しては分かり合えない。でも、それが本当に普通の人間関係で健全なことなんだと思うんです。もうちょっとヘラヘラしていてもいいって思ってもらえたら、そして「ダメなのって私たちだけじゃないんだ」っていう安堵感みたいなものが観た人に伝わるといいなって思いますね。どうやったって無理なものは無理ですからね。

 

田坂:勘違いっていうか、分かったふりをしていく大切さもあるだろうし。騙し、騙しやってくってことも必要だろうと思うので。そういう部分を感じ取ってもらいたいなって思います。

 

 


 

次回は今作品に「ドラマドクター」として参加されている羊屋白玉さんのインタビューをお届けします!

お楽しみに!!

 

 

 

AMCFプロデュース

非・売れ線系ビーナス第14回公演 「踊りにいかないで」

 

★福岡公演

【日時】 10月22日(金)19:30

10月23日(土)14:00/19:00

10月24日(日)14:00/19:00

10月25日(月)14:00

【会場】ぽんプラザホール

【料金】一般前売 2,500円 当日2,800円

学生一律  1,500円

初回昼割 2,000円(23日14:00限定)

ペア割引 4,500円(前売のみ)

学生5人以上割 1,000円(一人当たり/前売のみ)

リピーター割 1,000円(半券をご持参下さい)

 

★東京公演

【日時】11月12日(金)19:30

11月13日(土)14:00/19:00

11月14日(日)14:00

【会場】劇場HOPE(東京都中野区中野3-22-8)

【料金】一般前売 2,500円 当日 2,800円

    学生前売  1,500円 当日 1,800円

 

【お問い合わせ】

非・売れ線系ビーナス http://www.hiurevi.com/

アートマネージメントセンター福岡  092-474-6181

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