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AMCFプロデュース非・売れ線系ビーナス第14回公演「踊りに行かないで」稽古場訪問【3】
【2010年10月15日】

非・売れ線系ビーナス「踊りに行かないで」。初の試みとして今回はドラマドクターに指輪ホテル女性芸術監督である羊屋白玉さんを迎えています。その羊屋白玉さんと、演出の木村佳南子さんにもお話しをお伺いしました。

 

【ドラマドクター】

演劇作品を作る、戯曲の執筆・演出等の作業の中で助言を行うプロの劇作家・演出家のこと。

 

 

 

稽古場訪問【1】はこちら

 

稽古場訪問【2】はこちら

 

 

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【羊屋白玉 Shirotama Hitujiya】

 

1994年、「指輪ホテル」設立に立ち会う。以来、すべての作品の劇作、演出をつとめる。廃工場やテニスコート、書店、レストラン、ストリップ劇場など、オルタナティブスペースでの空間演出と、国内外を問わず女性パフォーマーのみで構成されるドラマツルギー(演劇論)を通して、新しい社会観や世界感のあり方を提示してきた。創作の他、アートコミュニティーへの関心から、日本劇作家協会、日本演出家協会に所属し、多様なアーティストと交流を持ち、ワークショップも精力的に行っている。2001年よりアジアン・カルチュラル・カウンシルのフェローショップで、ニューヨークに演劇留学。2006年よりヨーロッパ・北米・南米ツアーを実施。ニューズウィーク日本誌において「世界が認めた日本人女性100人」の1人に選ばれる。2008年、再びニューヨークに1年滞在し、4作品を手掛け、ニューヨークタイムズやビレッジボイスの注目を集めた。帰国後の2009年4月、福岡イムズホールで「こわれゆく女」初演。同年5月チャプタ―アートセンター(英)で「Hevenly Love」を滞在創作。8月、プレイライツセンター所属のトリスタ・バルドウィンとの国際共同制作「DOE2.0」のクリエーションをミネアポリス(米)で。12月、同作業を東京で行う。2010年1月「洪水~massive water」(初演作品)を東京、宮崎にて上演後、3月「CANDIES」(新メンバーにて創作初演)の国内ツアー(東京、札幌、福岡)など、精力的に作品発表を続けている。

 

■公式HP   http://www.yubiwahotel.com

 

 

 

 

-福岡と東京の演劇界の違いは感じられますか?

 

白玉:一昨年の春のフェスティバルが最初で、今年の3月にまたフェスティバルに出て…と二年ぐらいなんですよね。その中で(木村)佳南子ちゃんもそうですけど、実際に福岡で演劇をしてる人たちに会う機会、話す機会があって。最近、やっと始まったって感じなんです。私がラッキーなのかもしれないけど、クオリティーが高い人たちが多いと思っています。フェスティバルに出たときも、演劇の話をちゃんと話せましたし、今の現場もそうですし。私は、あまり差を感じないですね。

 

  

―今回、ドラマ・ドクターにつかれたいきさつ、きっかけを教えて下さい。 

 

白玉:田坂くんの作品はDVDでしか見てないんですけど、田坂くんが仲間と作ってるって言うのも周辺から知っていって。自分で書いて、自分で演出する、最近は(木村)佳南子ちゃんと共同演出しているっていうのを聞いて、それに協力して欲しいってことで。タイミングがいいことに、演劇大学っていうワークショップで福岡の演出家を対象にしるものがあって、彼らが作っているものに対して4日間ぐらいサポートために来たんです。そこで、まず彼女(木村佳南子)と一緒に作品をつくったんです。共同でやって、なんとなくこういう感じでやるんだってことがわかったうえでの今回ですね。演出家デビューに近いんですよね?

 

木村:近いですね。

 

白玉:そこに立ち会うって感じです。私も精一杯で、まず「ドラマドクターって?ドラマツルギーって何?」みたいなシンポジウムが東京でもようやくはじまった感じなんです。私の作品を作業してるってわけじゃなくて、他人の作品なので入りやすいっていうのはあります。もっと大人だったらいいけど、自分の作った作品だったら自分の思いがあるので、必要以上に介入する。演出家って産婆さんみたいなものだと思っているんです。で、ドラマドクターって、もうちょっと大人で中堅どころの産婆ってところですかね。田坂君と(木村)佳南子ちゃんがやっていたって、私は分け入っていこうと思っていて。違う世界、違う切り口から「あんなふうに見えるよ」って種をまいて、提案していって、作業させてもらっているんです。それをやっていって残して、あとはみんなで取捨選択する。良いとおもったら使えばいいし、アレンジしたければしていいし、ジャッジは彼女たちに任せるにしても違う見方、違う考え方っていうかそういうのを全部おいてこうと思っています。それは今までの「非・売れ線系ビーナス」にはなかったことなので、何かいい方向に変わってくれればいいなって思ってます。なので、私は今回、演出家ではないから決定してはいけないと思ってます。ずっと一緒にいたら決定権をもってしまうかもしれない、そうじゃなくて決定するのは皆で、いい決定が生まれるような環境を作って行ければいいかなって思っています。

 

 

 

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―ドラマドクターという言葉はまだまだ浸透してないなと思うんですが

 

白玉:劇作家でもなくて、演出でもなく、役者でもなく現場にかかわってこの作品をもっと面白いものにしていけるかってことを実践していく感じで。みんなやり方はさまざまだと思うんです。今回は話合って、今のやり方にしようって形になりました。

 

 

―木村さんは白玉さんこられて何かかわりました?

 

木村:台本をゼロから読み直すことができたかな。ずっとこれにかかわっていると、きゅーって入りすぎちゃっていたので。それが大きいかなと思います。

白玉:分析しながら、田坂くんにもインタビューしながら進めてます。私も本が面白かったから15分ぐらいで読んじゃって、でも3,4回ぐらいしか読んでいないんです。それぐらいの印象・インプレッションできたんですけど、1回目の通し稽古を見れたので、それで自分の印象と通し稽古を合わせて提案して作業してるって感じです。

 

 

 

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―「非・売れ線系ビーナス」も「指輪ホテル」も女性を描く作品が多いですが…女性を描いている白玉さんとしては、この作品は女性に見てほしいですか?男性にこそみて欲しいですか?

 

白玉:そのフレーズいい!「女性に観て欲しい、男性にこそ観て欲しい」いい言い回しな感じがします。強くてエキセントリックな女の子が出てくるなって思うんですけど、私は男の人より女の人のほうが面白いって思うんです。急にだだもれしてく感じとか、男の人はプライドでストッパーかけている気がして、でもこの漏れてたところで・・・っていうのが愛おしいので。そういう魅力、エッセンスが固まった女の人像を私は描いてるつもりです。そこに、共感や反感がいろいろあるかもしれないけど。以前作ったシーンの中で、奥さんが二口女って妖怪で夜中にこっそりご飯を後ろの口で食べていたっていう作品があって。それって女の人のある意味象徴して舞台に乗せたんですけど、私も二口女かもしれないみたいなことをお客さんが言ってくれて。“もう1つ口を持ってるんだ”ってことを自分の恋人、パートナー、旦那さんに“分かって欲しい”。でも言えなかったりとか、どうやって伝えたらいいんだろうとか。男の人が持ってないものをどう説明したらいいんだろうとかって女性の思うところで。女の人の化け物みたいなかんじっていうか、今回もそういう女性が作品にも出てきますけど、それをどう捉えられるかって楽しみではあります。

 

 

 

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-非・売れ線系ビーナスの東京進出をどう思われますか?

 

白玉:政治も含めてありようが変わってる過渡期ですから、地方に目を向けられてるって状況に今後なっていくと思うんです。東京の特殊性としてサバイバルはやっぱり激しいと思いますけど、いろんなものがつながってて近い状態だし、良いものは良いっていうのがもっと明らかになっていくとは思います。なので、彼女たちにとっていいタイミングなんじゃないかなって思います。

 

 

 

―今回のタイトルについてどう思われますか?

 

 

白玉:みんな色んなことを思うと思うんですけど、パロディにするプレッシャーをなんなく超えた作りになっていると思うので早く見せたい!ふわっと全然違う道を行くからって!

 

 

 

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-白玉さんの目線で作品を通して見えてくるもの、伝えたいものを教えてください。

 

白玉:戯曲の作風ってみんな個人、個性があるといっても影響されながら作ってて、尊敬している誰かがいればなぞっていくっていうか、っていうことがあると思うんですけど。田坂くんの作品は、あんまり観ない感じなんですね、女の人の作家でも男性が作ったような作品ってあるんですよね。私はそういうのがないようにって思っているんですけど・・・。田坂くんの作品ってその男とか女とか超えてるまではいえないかもしれないけど、また新たな視点で書いいて、なんだか新しい感じがして。そこを読み進めていくと普遍性を感じるんですよね。「鶴の恩返し」って女の人がいなくなっちゃうじゃないですか。女の人がいなくなっちゃうってタイプのおとぎ話って西洋の人には理解できない。教訓もなければ、ハッピーエンドでもない。でも聞くと、女の人がふわっといなくなっちゃうって作品って、もしくは最初からいない作品って田坂くんは多いそうですね。で、教訓でもなくハッピーエンドでもない作品を受け入れる日本人の考え方のベースがあるから「鶴の恩返し」も今でも残っていると思うんでうすけど、彼の作品はそういう構造に似ていると思います。新しいなとは思うけど、おとぎ話、日本人の人が理解できる普遍的な部分があって。とにかく観て欲しいなと思っています。

 


 

次回は白玉さんが参加されている稽古場の模様をお届けします。

 

AMCFプロデュース

非・売れ線系ビーナス第14回公演 「踊りにいかないで」

 

★福岡公演

【日時】 10月22日(金)19:30

10月23日(土)14:00/19:00

10月24日(日)14:00/19:00

10月25日(月)14:00

【会場】ぽんプラザホール

【料金】一般前売 2,500円 当日2,800円

学生一律  1,500円

初回昼割 2,000円(23日14:00限定)

ペア割引 4,500円(前売のみ)

学生5人以上割 1,000円(一人当たり/前売のみ)

リピーター割 1,000円(半券をご持参下さい)

 

★東京公演

【日時】11月12日(金)19:30

11月13日(土)14:00/19:00

11月14日(日)14:00

【会場】劇場HOPE(東京都中野区中野3-22-8)

【料金】一般前売 2,500円 当日 2,800円

    学生前売  1,500円 当日 1,800円

 

【お問い合わせ】

非・売れ線系ビーナス http://www.hiurevi.com/

アートマネージメントセンター福岡  092-474-6181

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